「五月病」を予防する7つの対処法、カギは「脳内物質」 メンタルの落ち込み状態は放置してはいけない
■ポジティブなことをいっぱい書く 自分の考えていることがある程度整理できたら、次は、「すぐできること」や「将来の夢など前向きなこと」などポジティブなことをいっぱい書いていく。 「たとえば『ハワイ旅行に行きたい』といった場合、行ったら何をするかも具体的に書いていきます。書くことでワクワクした気持ちを顕在化すれば、それを見返したときに楽しい気持ちがフィードバックされます。自分を前向きに洗脳するイメージです」(川村さん)
話は少し変わるが、「推し活」もいいそうだ。自分の好きな相手に前向きに没頭できるから、というのがその理由だ。 そして、運動や書くといった対処法に加えてやりたいのは、コミュニケーションをとること。 「困りごとがあるときは、自分で抱え込まずに家族や親しい友人に相談するのが一番です。特に、考えても答えの出ないことを考えている場合には、それが今まで何か役に立ったのか客観的に振り返ることが大切で、この点でも周囲の人の意見は大事です」
■連休中に体と心を休ませよう 仕事の内容や職種によっても違うだろうが、ゴールデンウィークは労働から解放されて、体を休ませられる絶好の機会だ。 また、寒くも暑くもなく外出も気持ちのいい時期にあたる。日光浴や食習慣など、川村さんが紹介してくれた他の項目も含めて実践していくことで、モノアミンを増やし、五月病を予防していきたいところだ。 「もちろん、それでもうつ状態が続くようなら、無理をしないで専門医を受診してほしい」と、川村さんは話す。
(取材・文/伊波達也) 川村総合診療院・院長 川村則行医師 1986年、東京大学医学部卒業。1990年、東京大学大学院博士課程第三基礎医学卒業。国立相模原病院内科、国立精神・神経医療研究センター(現・国立精神・神経医療研究センター)、精神保健研究所、NIMH(アメリカ)などを経て、2011年に外苑メンタルクリニック開院。2013年、川村総合診療院院長。現在に至る。所属は、日本心身医学会、日本心療内科学会、日本精神神経医学会、日本生物的精神医学会、日本精神科診断学会、日本不安症学会、日本神経精神薬理学会。著書に『血液でうつ病を測る』(鍬谷出版)、『不安な心が軽くなる本』(PHP研究所)、『プラス思考だけじゃダメなんだ!』(サンマーク出版)、『自己治癒力を高める』(講談社ブルーバックス)ほか多数。
東洋経済オンライン医療取材チーム :記者・ライター