「五月病」を予防する7つの対処法、カギは「脳内物質」 メンタルの落ち込み状態は放置してはいけない
だから休日こそ意識して8000歩歩くようにしたい。 ちなみに、川村さんは休日には朝11時頃に家を出て、90分ほど歩く。途中、90分ぐらいは休憩時間を設けて、何もしないで公園などでぼーっとしているそうだ。これだけでも十分にうつ状態を予防できるのだという。 ■運動することの「意外な」メリット 運動することのメリットは、体を動かすことだけにとどまらない。 散歩をしていると、あちこちの看板が目に入ったり、信号機で止まったりするなど、この間、さまざまな情報が入ってくる。その結果、問題となる思考(長時間考えすぎ、答えの出ないことを考える、など)が分断される。これも五月病の予防に大きく働くそうだ。
「3時間ほど外にいると、頭がリフレッシュした感じになると思います」(川村さん) 運動が苦手な人は、風呂掃除でもいい。体を動かすことになり、しかもきれいになった風呂に入れるといった“おまけ”もつく。料理もいいだろう。レシピを考えて食材を買いに行き、調理しておいしく食べれば、気持ちの切り替えになる。 家事をするのが嫌なら、コンビニに行ったり、デパートでウインドーショッピングをしたりするのもいい。美術館やライブに出かけたりするのもありだ。
「とにかく体を動かすきっかけを作ることです。運動が嫌い、体を動かすのが面倒くさい、という人に私がよくアドバイスするのは、3分だけやってみるということ。頭でいろいろと言い訳を考えず、まずは行動してみましょう」(川村さん) もう1つ、ゴールデンウィークにやっておくといいことが、「考えを書いてみる」という対処法だ。これは先に挙げた4と5の対処法となる。 川村さんの外来では、うつ症状を訴えて訪れた患者には、自分の気持ちや考えをノートに書くようにすすめている。
具体的には、大学ノートなどを用意し、左ページには自分が考えている事実を書く。たとえば「上司の顔を見ると不安になる」などだ。そして、右ページには、それについて自分がどうしてそう思うかを書いてみる。 あくまでも、事実と推論をわけることで頭を整理するのだ。 「患者さんには、書くときにはきちんと机に向かって、日付を記して、毎日書くように指導していますが、自分で試すのならそこまでやらなくても大丈夫です。ただ、何日か続けていくうちに自分が普段何を考えているかが少しずつわかってきます」