畑山隆則氏、堤駿斗の公開練習を視察し「スーパーフェザーに適応してできる」と太鼓判 「10キロ以上落とす選手は上げた方が絶対に良い」
プロボクシングの前東洋太平洋フェザー級王者で、WBA世界スーパーフェザー級9位の堤駿斗(はやと、25)=志成=が12日、東京・目黒区の志成ジムで練習を公開。元WBA世界同級王者で、現同級14位のレネ・アルバラード(35)=ニカラグア=と闘うWBA世界同級挑戦者決定戦(31日、東京・大田区総合体育館)で完全復活を誓った。 4月の前戦の前日計量で1・55キロ体重超過し、6カ月のライセンス停止処分を受けてからの復帰戦となる堤が、シャドーボクシングとミット打ちを各2ラウンド披露し、好調をアピールした。 元世界2階級制覇王者の畑山隆則氏(49)が、インターネットテレビのABEMAボクシングチャンネルのユーチューブ撮影で公開練習を視察。畑山氏は堤のパンチをミットで受け「良いパンチ。切れるパンチだ。重さもある」と称賛。階級を1つ上げてスーパーフェザー級に転級した堤の判断に「体重を10キロ以上落とすってなると、それなりに体の負担も大きくなると思うんですよね。私の場合もそうでしたけど、体重を落とすことによる体の負担よりも、体重を上げたことによる耐久性だとか、あるいはパンチ力のアップを考えたら、やっぱり10キロ以上落とす選手は上げた方が絶対に良い方に作用すると思いますね」と賛同した。 現役時代にWBA世界スーパーフェザー級王座とWBA世界ライト級王座を獲得した畑山氏は「(堤は)それなりに体も大きいですし、全然スーパーフェザーに適応してできるんじゃないですかね」とうなずいた。「中量級には中量級の重量感っていうのがありますから。軽量級とはまた違う。堤選手はこの何試合かで倒し方を覚えて、闘い方もすごく好戦的な闘い方になりましたから。中量級の魅力を伝えてくれる選手になるんじゃないかなと思いますけどね。スキルは元々ありますからね。やっぱり、アマチュア13冠は伊達じゃないでしょう」と期待した。 堤は畑山氏にミットを持ってもらった感想を「(パンチを)要求するタイミングがすごく早かったので、一瞬戸惑っちゃいましたけど。やっぱりさすがだなと思いましたし、偉大な先輩にミットを持っていただけるということはすごく光栄なことなんで、すごく有意義な時間を過ごさせていただきました」と笑顔を見せた。 興行のメインイベントは前WBA世界スーパーフライ級王者で、現同級6位の井岡一翔(35)=志成=が、初防衛を目指す王者のフェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=と闘うダイレクトリマッチ。堤の復帰戦はセミファイナルで行われる。
興行はインターネットテレビのABEMAが午後3時から独占無料生配信する。プロ戦績は堤が5戦5勝(2KO)、アルバラードが48戦34勝(22KO)14敗、井岡が35戦31勝(16KO)3敗1分け、マルティネスが17戦17勝(9KO)。(尾﨑陽介)