現行の「健康保険証」は12月に廃止! マイナ保険証で「医療費が安くなる」と聞きますが、医療費が高くなるほど“割引”されるんですか? 実際どれだけ安くなるのでしょうか?
健康保険証が廃止され、マイナ保険証の利用が原則となるというニュースに戸惑いや不安を感じている人も多いのではないでしょうか。 「マイナ保険証を使うと医療費が安くなる」と聞いても、具体的にどれくらいの節約になるのかよく分からないかもしれません。本記事では、マイナ保険証の導入による医療費の変化やメリットについて解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
マイナ保険証とは?
マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用する制度です。 2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行は終了となるため、原則として医療機関や薬局ではマイナ保険証を利用することになります。医療費が安くなる、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除される、各種データに基づきより良い医療が受けられるなど、さまざまなメリットを享受できます。 なお、マイナンバーカードを取得していない場合は、被保険者資格情報などを記載した「資格確認書」が交付される予定です。それを提示することでこれまで同様、一定の負担額で医療を受けられます。
マイナ保険証のメリット
マイナ保険証を利用することで受けられるメリットの詳細は以下です。 ■医療費が安くなる マイナ保険証を利用すると、従来の保険証を利用するよりも初診料が20円、再診料が10円安くなります。例えば年間に10回の診療を受けた場合、初診料の割引だけで200円、再診料の割引で100円の節約ができる計算です。 「マイナ保険証を使うと医療費が安くなる」と耳にした人も多いかもしれませんが、マイナ保険証の利用により安くなるのはこの部分のみです。風邪で受診しても入院しても、残念ながら割引額は変わりません。医療費が大幅に軽減されるわけではありませんが、受診回数が多い人にとっては助かるでしょう。 ■手続きの負担が減る マイナ保険証を利用することで、高額療養費制度を利用する際に「限度額適用認定証」の事前申請が不要になります。 入院などで医療費が高額になる場合、限度額適用認定証を提示すると窓口で限度額以上の医療費を支払う必要がなくなります。しかし申請が間に合わないなどの理由で提示ができないと、高額な医療費をいったん支払わなければなりません。 マイナ保険証を使えば、限度額適用認定証を提示しなくても窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。緊急時や忙しいとき、手続きの負担はもちろん、一時的とはいえ経済的な負担が軽減される点は大きなメリットといえるでしょう。 ■より良い医療を受けられる マイナ保険証を利用することで、診療情報や薬の情報が医療機関や薬局の間で共有され、適切な治療を受けやすくなります。 初めて受診する医療機関でも診察や薬の処方がスムーズになる、薬の重複を避けられるといったメリットがあります。持病がある人や複数の医療機関を利用している人の場合、情報が共有されることでより安心感を得られるでしょう。
マイナ保険証を利用して受診をスムーズに
マイナ保険証を利用することで、少額ではありますが医療費が安くなります。ほんの数十円の差ですが、通院回数の多い人にとってはこれが積み重なり、大きな節約につながるかもしれません。 またいざというときに高額療養費制度をスムーズに利用できたり、より良い医療を受けられたりするといったように、マイナ保険証にはさまざまなメリットがあります。まだマイナ保険証の手続きを済ませていない人は、早めの登録を検討しましょう。 出典 厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット 執筆者:山田麻耶 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部