「お年取りに食べます」 伝統野菜の大根で漬物作り 長野
長野県諏訪市の特産「上野大根」の漬物作り体験会が同市内で開かれた。消費量の低下などで上野大根を取り巻く生産状況は厳しくなっていることから、上野大根の魅力を伝えようと市や信州諏訪農協などでつくる協議会が企画、上野農事大根組合が協力した。 【写真】「上野大根」2500本を天日干し
上野大根は県内各地に残る貴重な野菜を将来につなぐ県の「信州の伝統野菜」。この日は市内外の5組14人が「わっこ漬け」に挑戦。3ミリほどに輪切りにし、ザラメ、しょうゆ、酢を合わせた調味料液に漬け込んだ。
大根を輪切りにすると、ほんのりと上野大根の香りがして「いい匂い」といった声が上がった。調味料液を密封できる袋に入れてザラメが溶けるよう袋をもんだ。2週間~1カ月ほど漬け込んでから食べるという。
家族で参加した諏訪市豊田の会社員女性(45)は「わっこ漬けを作るのは初めて。年末ごろにおいしくなりそうなので、お年取りに食べます」。小学校5年の次女(10)は「厚くなったり薄くなったりして切るのが難しかった」。保育園年長の長男(5)は「おそばに入れて食べたい」と笑顔だった。
上野農事大根組合の笠原憲一(のりかず)組合長(58)は「農家の高齢化など上野大根を取り巻く状況は厳しい。参加した皆さんにはきょうの体験を基に、漬けた味などをいろんな人たちに広めてサポートしてほしい」と話していた。