「自分をサバイバーと呼べるのは光栄なこと」女子テニスの名手が乳がん治療とツアー転戦の両立を明かす<SMASH>
女子テニスのダブルス世界3位のガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)が、12月31日に公式インスタグラム(@gabydabrowski)で乳がんを患ったことを明かした。 【画像】乳がん宣告を明かしたダブロウスキーの投稿原文 左胸にしこりを感じ、自己検診に行ったのは2023年の春。医師から「何でもないから心配しないで」と言われ気にしなかったが、24年の春にしこりが少し大きくなり、マンモグラフィ、超音波、生検の結果、暫定的に“がん”と告知された。 ダブロウスキーは当時の心境を「この言葉を聞くとは思ってもみなかったし、一瞬にして自分の人生や愛する人の人生がひっくり返った」と表現している。 そして2度の手術を受け、以降はリハビリのほか、自分でトスが上げられない状態でのサービス練習なども経て、治療をしながらツアーを回り、約3カ月ぶりとなった復帰戦「ロスシー・オープン」(24年6月)のダブルスでは見事優勝を果たした。 またウインブルドンやオリンピックの際には、治療を遅らせて大会へ出場。シーズン最終戦の「WTAファイナルズ」では初タイトル(ダブルス)を獲得するなど、「可能な限り最高の形でシーズンを終える」ことを叶えた。 インスタグラムでは心境の変化についても以下のように綴っている。 「こんなに小さなものが、どうしてこんなに大きな問題を引き起こすの? これは、4月中旬に乳がんと診断された時の自問自答です。多くの人にとってショックなことだと思いますが、私は大丈夫ですし、これからも大丈夫です。早期発見は命を救う。これには心から同意できます」 「診断を受けて間もない頃は、がんが永遠に自分のアイデンティティの一部になってしまうのではないかと恐れていました。でも、もうそんな気持ちはありません。自分をサバイバー(がん治療を受けている人)と呼べるのは光栄なことです。多くの方々のサポートがなければ、今の私の状況はどうなっていたかわかりません。永遠に感謝します」 「この6カ月間、コート上で私の笑顔が増えたとしたら、それは本物です。セラピーや他の指導を通じて、何年も前から積極的に自分の態度を改善する努力をしてきましたが、がんと診断されたことが、変化のきっかけとなったのです。全てを失う恐れが現実になって、初めて自分の持っているものに心から感謝し始めました」 「私の考え方は、『これをしなければならない(テニスをプレーし、自分の技術を無駄にしない)』から、『これをすることができる』に変わりました。がんには、くたばれと言いたいが、ありがとうとも言いたいです」 構成●スマッシュ編集部