富山・高岡へ行ったら「利長御膳」…「加賀百万石の台所」の歴史を感じられるメニューです
富山県高岡市の中心部は１６０９年、加賀前田家２代当主・前田利長が築いた高岡城の城下町として始まった。市内には利長の菩(ぼ)提(だい)寺で国宝の「瑞龍寺」もあり、今も「開町の祖」として敬愛されている。
高岡の礎を築いた利長の思いは歴代当主にも引き継がれ、日本海の交易で集まった昆布など食材の充実ぶりから、「加賀百万石の台所」と呼ばれるまでに発展した。そんな歴史を感じられる料理があると聞き、高岡商工会議所が入るビルの「商工レストラン松(しょう)楓(ふう)」を訪ねた。
富山の海・山の幸をふんだんに
お目当ては、昨年３月から提供を始めた「加賀前田御膳」のうち、「利長御膳」（７０００円）だ。利長の名前を冠した御膳は、市やＪＡ高岡も入った「高岡食のブランド推進実行委員会」が認定した富山の海と山の幸から、季節に合わせて１６品目以上を使う豪華な内容だ。
昆布のうまみを様々な料理に取り入れてきた富山の郷土料理「昆布締めの刺し身」のほか、越中万葉牛のしゃぶしゃぶ、加賀前田家当主らが食していたという「どじょうの蒲焼(かばやき)」や洋風カステラなど、地域の食文化の豊かさを実感できる。
吉田翔太料理長は「厳選した食材を使った料理を、特別な場面でゆっくり味わっていただければ」と話す。予約があれば、定休日の土日祝日も提供している。
こちらもオススメ…永姫御膳
より気軽に楽しめるのが、利長の正室の名が入った「永姫御膳」（２０００円）だ。価格を抑えつつも、お造りとデザートが付き、女性客を中心に人気という。
ビル１０階のレストランからは、立山連峰と高岡古城公園（高岡城跡）を一望できる。市内には国宝「勝興寺」もある。高岡商工会議所商工観光課の奥村未来主任は、「高岡に足を運んでいただき、素晴らしい料理と眺めを楽しんでほしい」と笑顔を見せた。
※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。
国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。
