抑えの条件は三振を奪えること。オリックスの平野は条件を満たし今でも健在でオレはうれしい。巨人の大勢もすごいクローザーよ【岡田彰布のそらそうよ】
05年のクローザー・久保田は何より馬力があった
今季38歳のオリックス・平野はまだまだ抑えで躍動してくれている。12年前に後ろに転身させたとした身としては、今の活躍がホンマうれしいよ[写真=高原由佳]
先週号では交流戦の結末を記すことができなかった。最後のカードとなった関西ダービーで、阪神はオリックスに3連勝。山本(山本由伸)、宮城(宮城大弥)を崩し、気持ちのいいフィニッシュとなったけど、それを上回ったのがヤクルトやった。まさに余裕の優勝。昨年の日本一は本物……と再認識させられる強さだった。 ワンツーがセ・リーグだったことに少し驚きはあるけど、この2チーム、やはり勝つだけの要因はあった。攻撃では軸になる選手が打ちまくった。ヤクルトは村上(村上宗隆)、阪神は大山(大山悠輔)だ。そして投手陣。ここも先発がしっかりして、リリーバーも充実。戦う形態が似ていたし、ホンマにチーム力が安定していた。 特に阪神は優勝を逃したけど、後半戦に希望が持てる交流戦になったな。12勝6敗で借金を6つ減らした。これで最下位を脱出し、交流戦が終わった段階で順位は4位。こういう数字が出てくると、チームとして勢いが出るし、ホンマ、有意義な期間になったな、と思う。このコラムが読まれるとき、すでにレギュラーシーズンは再開となっているが、気持ちをフラットにして、さあリスタート! と新たな想いで挑んでもらいたい。 さて今週号の特集はクローザーに焦点をあてたものになるが、このテーマになると、オレには忘れられない投手がいる。まず阪神監督時代の藤川(藤川球児)だが、彼については、もう語ることがないほど、これまでに記してきた。ただ藤川がスッとクローザーになったわけではない。2005年のリーグ優勝時、抑えは久保田(久保田智之)やった。 なぜ藤川でなく久保田だったのか? 藤川にはそこまでの実績がなく・・・
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週刊ベースボール