なぜ愛する我が子を虐待してしまうのか…多くの殺人事件が「親族間」で起きている本当の理由
■「結婚できない」レッテルに怯える女性たち 「婚活」という言葉がよく使われていますが、婚活している女性たちは本当に結婚したいのでしょうか。彼女たちに、よく話を聞いてみると、別に「結婚生活」がしたいわけではないようなのです。 婚活している女性たちを見ていてかわいそうだなと思うのは、いわば大学受験や資格試験、就職活動のように結婚を捉えてしまっているという点です。 「○○すると結婚できないよ」と、彼女たちは子ども時代に脅されてきたのです。結婚できないということは、あたかも人間失格、女失格であることのようにすり込まれて育ってきてしまった。どうも、それを払拭するために結婚したいのではないか、と思えるふしがあるのです。 一緒にいると楽しい相手に出会って、そのあとの人生を心豊かに暮らしたい、そのために結婚したいというのではなく、自分に付けられたネガティブなレッテルを剥がしたいという意味で婚活しているのです。そういう意味では非常に切実で、見ていて痛々しい感じがします。 ---------- 中野 信子(なかの・のぶこ) 脳科学者、医学博士、認知科学者 東日本国際大学特任教授。京都芸術大学客員教授。1975年、東京都生まれ。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2008年から10年まで、フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務。著書に『サイコパス』『不倫』、ヤマザキマリとの共著『パンデミックの文明論』(すべて文春新書)、『ペルソナ』、熊澤弘との共著『脳から見るミュージアム』(ともに講談社現代新書)、『脳の闇』(新潮新書)などがある。 ----------
脳科学者、医学博士、認知科学者 中野 信子