NYタイムズが太鼓判! 富山市が世界の旅行者向け「今行くべき52カ所」で大躍進したワケ
「出勤してから知ったので寝耳に水でした」──。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT=電子版)が7日に発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市がランクイン。市観光政策課の担当者は驚きを隠さなかった。 故・小倉智昭さんが語っていた「副業の苦労」と「老後の後悔」…シニアの起業の注意点とは NYTは2005年から世界の旅行者に向けて「行くべきリスト」を公表している。今年は日本から30番目に富山市、38番目に大阪市を選出。富山について〈能登半島の玄関口〉と説明し、〈混雑を避けながら文化的な感動と美食を楽しめる〉と評価した。 観光都市の大阪が選ばれるのは不思議ではないが、より上位に富山市を選ぶとはなかなか渋い。市観光政策課に選出された感想を尋ねると、驚きとうれしさが入り交じった様子で次のように答えた。 「コロナ禍前はアジア圏からの旅行者が多かったのですが、最近は欧米の方も増えてきており、少しずつ魅力が伝わっているのかなと思います。ゆったり過ごせますし、寿司はもちろん、地酒もおいしい。選ばれた理由には、能登半島の復興支援の側面もあるのではないかと考えています」(担当者) 23年の県内のインバウンド宿泊者は延べ23万5830人。コロナ禍前の19年に比べ3割減だが、22年比4倍増と好調だ。 NYTは富山市内の見どころとして、建築家の隈研吾氏がデザインしたガラス美術館や、毎年9月に八尾町で行われる伝統行事「おわら風の盆」を紹介。オススメの地元飲食店には〈フレンチビストロの「アルプ」、自然派ワインとおでんが楽しめる居酒屋「飛騨」、季節の素材を生かした和風カレーを提供する「スズキーマ」〉のほか、鉄道模型がウリの喫茶「ブルートレイン」や家族経営のジャズバー「ハナミズキノヘヤ」を挙げた。 ■取材対応にテンヤワンヤ 創業45年のブルートレインの店内には、HOサイズ(80分の1スケール)の鉄道模型が走る。マスターの中村正陽さんの奥さまはNYTで紹介されたことに「びっくりしました」と語り、こう続けた。 「記事を見て来たお客さんもいらっしゃいました。朝からテレビや新聞社が殺到し、取材対応に疲れましたよ(笑)」 24年は山口、23年は盛岡と福岡が選ばれた。次はどこだろうか。