糖尿病で目が悪くなること、知っていますか?【100歳まで見える目】
◇糖尿病はなんでなる?―適量に食べるのは難しい
食事とは外の世界から手に入れたエネルギーを体に取り込むことです。「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますが、やはり食事はきちんと取らなければいけません。一方、江戸時代の薬学者である貝原益軒先生は「養生訓」にて過度に食べるべきではないとしています。同じく江戸時代の医師である杉田玄白先生も「養生七不可」にて同様に食べ過ぎを戒めています。では、健康を維持する上で、この「食が足りる」はどの程度食べればよいのでしょうか。 栄養の取り過ぎという言葉が出てきますが、では自分にとって十分な食事量とはどのように考えるべきなのでしょうか。血糖はインスリンの働きによって肝臓、脂肪、筋肉に吸収されます。肝臓や脂肪への蓄積は体質的なものもあり、介入は難しいです。 また、残念ながら日本人は欧米人と比べ、インスリンを作る力が弱く糖尿病になりやすいという問題もあります。しかし、筋肉へのインスリンの働きは筋肉量によって変わるため、筋肉を増やすということが糖尿病の治療になります。これを糖尿病の運動療法と呼びます。ちなみに、運動をたくさんしていても食べ過ぎであれば糖尿病になるし、食べる量が少ないように見えても運動不足であれば糖尿病になり得ます。このあたりのバランス感覚は持っておかなければいけません。また、食べないと筋肉も減ってしまうので、しっかり食べて運動することが大切です。
◇現代人は運動不足
国が出している健康日本21のデータによると、週に2回以上、1回当たり30分以上の運動をしている人の割合は令和元(2019)年度データで28.7%とのことです。国は2032年までにこれを40%まで引き上げることを目標にしています。 COVID-19によるステイホームも糖尿病の方には大きな負担でした。家にいるので運動量は減少します。さらに間食の機会も増えます。定期通院も止まり、投薬の管理も難しくなっていたことでしょう。COVID-19が5類感染症に移行してまだ1年半程度ですので、コロナで病状が悪くなり、まだまだ安定していない方も多いのではないでしょうか。 また昨今の温暖化の結果、夏は年々酷暑となってきています。外に出ての運動が難しく、夏の暑さがフレイルにつながるという指摘も出ています。春・秋のうちに意識的に運動を行うということも大事です。