「トマト」を食べすぎるとどうなる?知っておきたいトマトのメリット&デメリット
尿路結石の原因になる?
いくつかのサイトでは、トマトに含まれている「シュウ酸」というアクのもとによって、尿路結石の原因になると指摘されていることがあります。 しかし、シュウ酸が多いとされるほうれん草と比べるとわずかに含んでいる程度であるため、トマトのみでシュウ酸のとりすぎにはなりにくいと筆者は考えているため、ここでは指摘しておりません。
トマトを楽しむ量とタイミングは?
上記のとおり、トマトに含まれる栄養素にはメリットとデメリットの両方があります。 そこでここからは、トマトを楽しむ量とタイミングについて解説していきます。
健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?
トマトの食べすぎによって冷えや下痢・便秘などの胃腸障害を起こすのは、そのときの体調や体質によって量が異なります。そのため、それらを予防するためには、体調が優れないときは控えめにしておくのが安心です。 なお、カリウムの摂取量については、サプリメントなどで極端にとるようなことがなければ過剰摂取の心配はないとされています(1日の摂取目標量である成人男性3,000mg以上、成人女性2,500mg以上は、トマト1.2~1.4kgに相当。ミニトマトはもっと多く含まれるため、0.9~1kgに相当。缶詰やトマトジュースは、両者の中間に相当。人によっては摂取できてしまう量である)。 ただし、腎機能が低下している人や高齢者の場合、余分なカリウムが尿へ排泄されにくくなります。こういったかたは、カリウムのとりすぎが健康に影響を及ぼすことがあるので、ほかの食品からもカリウムを摂取することを考慮し、上記括弧内で示した半量以下の摂取に留めたほうががいいでしょう。 また、リコピンの効果を期待する場合、生のトマトであれば1日22.5mg以上、トマトの加工品であれば15mg以上を継続的に摂取するのが望ましいとされています。(※1) 一般的なトマト100gには3~5mg、ミニトマトは8mg、トマトジュースは10mg程度といわれていることから計算すると、それぞれを満たすためには450~700g(3~4個分相当)、280g(19個分相当)、150g(コップ1杯程度)摂取すればいいことがわかります。(※2) これを超えて飲食する場合は、とりすぎといえるでしょう。 ただし、リコピンはトマトだけではなく、金時にんじん、スイカ、ピンクグレープフルーツ、柿、マンゴーなどにも含まれているため、これらも食べるのであればトマトの量は減らしてもいいでしょう。 なお、品種改良された高リコピン含有トマトや、それを使ったり濃縮して作られたトマトジュースの場合は、示した数量よりも少なくても十分なリコピンを摂取することが期待できます。 ※1…多くのサイトでは「15mg」の数値のみ取り上げられていることが多いですが、ここでは根拠となるデータをもとに「22.5mg」という数値も提示しています。 ※2…ここでは、生で食べる場合を想定して算出しています。また、トマトは1個200g、ミニトマトは15gで算出しています。括弧内の個数は、実際の1個あたりの重さによって変動します。