2016年から「山の日」スタート 衛藤議連会長が制定の意義語る
先の国会で、国民の祝日に関する法律が改正されました。これにより、8月11日が山の日に制定されることになり、平成28(2016)年から新たに8月11日が祝日になります。しかし、どうして山の日が祝日に制定されることになったのかという経緯はあまり知られていません。山の日制定までの道のりとその意義を探ってみました。
地元の山に登ってふるさと再認識
今国会で新たに祝日として制定された“山の日”は、再来年の平成28(2016)年から施行されます。山の日制定議員連盟会長の衛藤征士郎衆議院議員(自民)はこう言います。 「今般、山の日が祝日に制定されたことが大きく報道されたので、いきなり祝日を増やしたような印象を受けますが、実際に山の日を祝日にしようという動きは平成14(2002)年に始まっています。この年は国際山岳年にあたり、マウンテンサミットがキルギス共和国で開催されています。それをきっかけに、日本でも山の日という祝日をつくろうという動きが高まりました」 祝日が増えると単純に嬉しい気持ちになります。それでも、一部の議員からは祝日が増えすぎるとの反対意見が出ました。しかし、山の日の趣旨に賛同する議員は多く、結果として超党派による議員立法で実現しました。 衛藤議員によると、300年前の世界に占める森林の割合は7割だったのが、現在は5割まで低下しているとのこと。それでも、日本では7割を維持しているそうです。その背景には、日本の山林は国有林として手厚く保護されてきたからです。日本にとって山は大自然の根源であり、ふるさとの原点なのです。 現在、多くの人はふるさとを離れて生活しています。お盆(8月15日)は、多くの人が帰省します。そのときに、地元の山に登ってふるさとを再認識してほしいという思いから、山の日は8月11日に決まったというわけです。 「祝日になったことがゴールではありません。今後は国民に山の日の意識を高めてもらうために、普及・啓発活動に力を入れていきます。例えば、市町村長に登山証明書を発行してもらうことを検討しています。そのほか、作文コンクールや学校での登山を推奨するといった啓発活動をしていきます」(衛藤議員)