日銀は予想通りに追加利上げ見送り:日米政治情勢と為替に翻弄される金融政策
円安進行が追加利上げのトリガーとなる可能性
筆者は、来年1月を追加利上げの時期と引き続き考えているが、仮に今年12月に追加利上げが実施される場合には、そのトリガーとなるのは円安進行だろう。ドル円レートが1ドル155円~160円のレンジに入れば、政府は円安が物価に与える悪影響に配慮して、円買いドル売りの為替介入に踏み切ることが予想される。 そしてその際には、手のひらを返すように、政府は円安阻止に向けて日本銀行に政府との協調を求め、追加利上げの実施を後押しする可能性が出てくるのではないか。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英