勝呂壽統、鮮烈デビューも急失速…巨人を放出された5年後にオリックスで日本一に【逆転プロ野球人生】
だが、チームの若返りの方針もあり、33歳の勝呂は96年オフに内野手不足で悩む近鉄へ金銭トレードで移籍。大阪ドーム元年の97年は72試合で打率.275といぶし銀の働きを見せ、99年限りで12年間のプロ生活に別れを告げた。 巨人を「出された」のではなく、野球を続けるために「出ていく」。悲しんでいるヒマなどなかったと、勝呂はのちに語っている。 「巨人時代のことなんか振り返りたくもないですよ。確かに人気球団ではあったが、オリックスだってすごい人気があるでしょう。もし、あのまま巨人にいたらユニフォームを着ていられたかどうか……。トレード通告された時、とうとうくるべきものがきたという感じがした。もうあとがないというか、オリックスでやらなきゃ野球人生は終わってしまう、と……」(週刊ベースボール96年11月9日増刊) 文=中溝康隆 写真=BBM
週刊ベースボール