加納実紀代資料室サゴリで初の企画展「交差点としてのヒロシマを再考する」が開催。ジェンダーと植民地主義の視点から広島を問い直す
広島市の加納実紀代資料室サゴリのギャラリースペースで企画展「交差点としてのヒロシマを再考する」が開催される。会期は9月28日~10月27日。 加納実紀代資料室サゴリは、ひろしま女性学研究所の高雄きくえの主宰により2023年3月に広島の二葉山に開室。「銃後史」「脱植⺠地主義」「ジェンダー」「平和表象」「ウーマン・リブ/フェミニズム」「朝鮮・アジア」など、多様な角度から言論活動に取り組んだ女性史家であり、また被爆者のひとりであった加納実紀代の全蔵書・研究資料を中心とした資料室だ。 本資料室は作品制作のためのリサーチを支援するとともに、制作活動を続けるなかで直面する閉塞感などに対し、同資料室を活用して行われる新たなリサーチを通じて現状を変えていこうとするアーティストを支援する「サゴリリサーチアワード」も開設。今年、主宰の高雄、文化研究者の山本浩貴、彫刻家・評論家の小田原のどかによって第1回の審査と発表が行われた。 今回の企画展「交差点としてのヒロシマを再考する」はリサーチアワードの開催とギャラリーサゴリのオープン、その両方を記念するもの。アワードで審査員をつとめた小田原がアワードに関連する作家を中心に声をかけ、開催される。 展覧会タイトルの「交差点としてのヒロシマ」はサゴリの主宰者である高雄が編集した書籍に由来。「広島はひとつではない」「被害と加害の二重性を引き受ける」「『唯一の被爆国』というナショナリズム」など、ジェンダーと植民地主義の視点から広島を問い続けてきた加納と、その名を冠した資料室を主宰する高雄の思想を、本展を通じてあらためて焦点化する。 参加作家はLeire de Meer + Mayuko Inui、オヤマアツキ、菊田真奈、高雄きくえ、高川和也+山本浩貴、船木美佳、山下栞、李和晋、小田原のどか。