プロ野球「超投高打低」異常事態の象徴…レア記録のはずが4年で14例「100球未満完封=マダックス」の背景〈OPSは衝撃的な急落〉
2018~20年は一度もなかったが…ここ4年で頻発
従来、マダックスは年に1~2回達成される程度のレアな記録だった。しかし近年は頻発している。 〈2015年から今年までのNPB公式戦でのマダックス一覧〉 ・2015年 8月11日/山中浩史(ヤ)広島戦96球5安1四2振 8月15日/西勇輝(オ)ロッテ戦95球3安2四8振 ・2016年 3月30日/美馬学(楽)ロッテ戦96球3安0四2振 4月6日/小熊凌祐(中)DeNA戦93球1安1四5振 ・2017年 4月14日/金子千尋(オ)ソフトバンク戦92球2安0四5振 ・2021年 4月28日/山本由伸(オ)楽天戦96球3安1四5振(引き分け) 5月15日/小川泰弘(ヤ)中日戦99球3安0四6振 5月16日/早川隆久(楽)オリックス戦98球3安2四8振 10月2日/髙橋遥人(神)中日戦97球5安0四7振 ※11月10日/奥川恭伸(ヤ)巨人戦98球6安0四9振(CSでの達成) ・2022年 4月16日/上茶谷大河(De)ヤクルト戦91球5安0四4振 4月19日/加藤貴之(日)楽天戦90球3安1四6振 5月11日/東浜巨(SB)西武戦97球0安2四6振※ノーヒットノーラン ・2023年 4月30日/東克樹(De)中日戦97球4安0四6振 10月1日/大貫晋一(De)中日戦94球2安1四3振 ・2024年 4月29日/ヤフーレ(ヤ)巨人戦94球3安0四5振 6月12日/伊藤大海(日)中日戦98球3安0四7振 6月12日/隅田知一郎(西)広島戦99球4安2四4振 6月16日/石田裕太郎(De)西武戦95球4安0四6振 19例だが、2015年から17年の3年で6例あったのちに18年から20年までは0。そして2021年から24年までの3年半で13例(CSでの奥川を入れれば14例)と激増している。
伊藤大海と隅田が同日達成は“58年ぶりの異常事態”
そして今年はわずか2カ月半の間に4例、6月に3例、しかも6月12日には西武の隅田だけでなく日本ハムの伊藤まで記録している。さらに6月16日には、昨年のドラフト5位、石田裕太郎がデビューわずか2試合目でマダックスを達成した。 NPBも投手の投球数については記録がない時期があったが、わかっている限りでは同じ日にマダックスが2回あったのは、1966年7月3日に石岡康三(サンケイ)が 広島を99球、渡辺泰輔(南海)が東京を90球で完封して以来、58年ぶりだ。 なおこの間、失点したものの100球未満で1人の投手が完投した例は12例あったが、そのうち6例が2021年以降だった。
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