憧れの世界王者の教えを胸に 大分国際車いすマラソンに初出場した14歳最年少ランナーの成長と涙
最速ランナーたちの背中を追いかけて
今大会、マルセル選手は怪我のため不参加だったが、パリ・パラリンピックマラソン銀メダリストの中国の金華選手や銅メダリストの鈴木選手と同じ舞台を走ることができた。 「やっぱ、かっこよかった」 憧れの選手たちが横を通り過ぎる姿を目にし、和氣さんの目は輝いていた。 次の目標を尋ねると、「初マラソンは緊張しましたが、とても楽しかったです。今後は自己ベストを更新していきたいです」。さらに、将来の夢は、「パラリンピックのトラック種目(T34=脳性麻痺クラス)に出場したい」と話す。
涙に込められた思い
ゴール直後、和氣さんは感極まって涙を流していた。その理由を聞くと、少し言葉を詰まらせながらこう答えた。「今まできついこともあったんですけど、いろんな人に支えられてきたので、それがちょっと気持ちとして....」
涙にはこれまでの努力と支えてくれた人々への感謝の想いが込められていた。14歳という若さで国際大会という大舞台に挑み、好記録で完走した和氣さん。その姿には、彼自身の努力と支えてくれる人々の存在、そして憧れのマルセル選手との特別な絆が刻まれている。 取材・文:越智貴雄