「サンドバッグのように扱われた末に人生を終えた」検察が糾弾 遺体に20か所以上の骨折 隣人暴行死の罪に問われた男が記者に語った言葉「愛着に似たような気持ち」「誰かと一緒にいたかった」6月5日に判決【後編】
「サンドバッグのように扱われた末に人生を終えた」検察は懲役14年を求刑
5月23日の論告求刑公判。検察官は「根拠の乏しい因縁をつけて金づるのように扱っていた中で、さしたる理由もない暴行を加えた」「サンドバッグのように扱われた末に、すさまじい痛みを覚えながら人生を終えた被害者の無念は計り知れない」と糾弾し、懲役14年を求刑した。 一方、弁護人は「不良中学生がそのまま大人になってしまった、被告はそういう人なんです」と裁判員らに訴えかけた。そして「区役所職員など周囲の人が唐田さんを尊重しない態度を取ったことで、被告が誤った“学習”をしていた可能性も否定はできない」などとして、懲役8年程度が相当と主張した。 被告は最終陳述で次のように語った。 楠本大樹被告 「今回被害者になった唐田健也さんに対しては、心の底から申し訳ないことをしたと思っています。自分は唐田さんを亡くならせてしまったことを頭に入れて、一生背負っていかなければと思っています」 判決は6月5日に、大阪地裁堺支部で言い渡される。
追記)判決は懲役12年
大阪地裁堺支部(藤原美弥子裁判長)は6月5日の判決で、「ボクシングジムの練習生でありながら、根拠の乏しい理由で金銭を請求する中で、ささいな言動にイライラするなどといった理由で常習的に暴行を加えていて、動機かつ経緯は身勝手かつ理不尽」「傷害致死に至っては、交通事故や高所からの転落に比肩するような強い暴行を多数回加えており、被害者の身体的・精神的苦痛は想像するに余りある」と指弾。楠本大樹被告に懲役12年を言い渡した。 (MBS大阪司法担当 松本陸)