「内臓がギュッと掴まれてる感じ」フィギュア鍵山優真を襲った“スゴい緊張”…悔やむ鍵山にコストナーコーチの励まし「あー、全日本優勝したい!」
「内臓がギュッと掴まれてるような感じ」
「ショートでは8点が出てしまったのは、なんでだろう、という思いがあります」 悔しそうにつぶやく。マリニンにPCSで超されたのは、初めてのことだった。 翌日のフリー。演技前から、緊迫した空気が伝わってくる。 「すごく緊張しちゃって、内臓がギュッと掴まれてるような感じでした」 冒頭の4回転フリップは、今季まだ成功させていない大技。まずは自分に集中し、クリーンに決める。大歓声が湧き起こった。しかし得意技の4回転サルコウは、踏み切りで力が抜け、フワッと2回転まわると着氷した。 「すごい緊張でしたが、なんとか対応しようと思ってフリップは耐えました。でもフリップを降りられたからこそ、サルコウは慎重になってしまった。練習でも(回転が)抜けることはないので『ああやっちゃった』と唖然としてしまいました」 残る4回転ジャンプは立て直し、最後まで力強く滑りぬく。演技を終えた瞬間、両膝に手をつくと、悔しさを吐き出すように荒い息を繰り返した。
緊張の原因「自分自身の問題」
演技後のインタビューでは、反省点ばかりを挙げた。特に鍵山の目に止まったのは、ステップシークエンスのレベルだった。レベル4を想定していたはずが、レベル2。ギターが奏でる激しいリズムに乗り、フラメンコ調の演技で盛り上げる場面である。 「フリーのステップはすごくテンポ感も早くて、でも(レベルを取るためには)ステップをしっかりと踏まなきゃいけない。技術を丁寧にやるのはもちろんなのですけれど、あまり丁寧にやりすぎると表現にならない。激しい表現面と技術の丁寧さのバランスがすごく難しい部分です。今回はレベルを取れなかったけど、全日本選手権に向けてしっかりやっていきたいです」 技術的なことだけでなく、緊張の原因についても考えた。 「お客さんの歓声は背中を後押ししてくれました。それでも緊張したのは、やっぱり自分自身の中の問題だと思います。やっぱり昌磨さん、羽生(結弦)さんが引退してからは、年齢が近い選手ばかり。良い刺激をもらっています。でも昌磨さん達を意識してきたのと、今の感覚は違います。今回はミハイル・シャイドロフ選手(カザフスタン)のような4回転をたくさん跳べる選手が増えてきているのを感じましたし、今日の僕は、ちょっと自分自身が小さくなってしまった。気持ちがまた弱くなってしまった部分がありました」 「気持ちが弱くなった」。そうつぶやく。追う立場から、同年代と切磋琢磨する立場へ。しかもエースとして扱われることで、100%の挑戦者という気持ちに戻れない。新たな闘争心を手探りする、21歳の素直な吐露だった。
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