「慶應の大応援は想定内」昨夏甲子園準V・仙台育英のエースが語った「甲子園で勝ち上がるために必要なこと」
昨夏の甲子園で仙台育英の二枚看板の一角を担った湯田 統真投手(明治大)。6試合で25.2回を投げて31奪三振の活躍でチームを準優勝に導いた。そんな湯田に昨夏の甲子園を振り返ってもらった。 【動画】明治大・湯田統真投手が振り返る聖地での戦い「強豪ばかりでワクワクした」
慶應の大応援も「投球に支障はなかった」
――名門校との激闘を勝ち抜いて、決勝戦は慶應義塾。やはり慶應の応援はスゴかったですか? 湯田 慶應とは練習試合もやっていて、センバツでの初戦もやっていて、応援のスゴさは十分分かっていました。決勝戦の応援は確かにスゴかったですが、あの大きさも僕からすれば想定内でした。だから投球面で障害はなかったです。 ただ相手打線が強力でした。勝ち進むごとに調子は上向きになっていて、良い状態で決勝戦に臨んでいるなと思いました。 ――1番の丸田湊斗外野手(現・慶應義塾大)に先頭打者本塁打を打たれましたが、あれは失投でしょうか? 湯田 打たれたのはチェンジアップで、自分の武器のスライダーを意識させるために使ったんですけど、うまく打たれてしまったな…と思いました。あれで相手が勢いづいてしまいました。 ――結果は準優勝に終わりました。 湯田 一番長い夏を過ごせたことは良かったですし、いろんなチームと戦って、自分とチームの経験値は高まって、今後につながる大会だったと思います。
マウンドを楽しむには「練習をして、場数を踏む」
――あれから1年。今年も甲子園が始まります。甲子園で3度出場している湯田投手ですが、地方大会、甲子園と勝ち上がる難しさはどちらにありますか? 湯田 どちらも変わらないです。地方大会でも一戦を勝つ難しさはありますので。ただ地方大会のほうが“逆転する雰囲気”が甲子園よりも起こりやすい感じがあります。 ――宮城県大会では「打倒・仙台育英」という雰囲気は感じましたか? 湯田 はい。甲子園よりも強く感じました。どのチームも「仙台育英を倒さなければ甲子園に行けない」という必死さを感じました。ただ「打倒・仙台育英」は意識していましたが、「打倒・湯田」で来るチームはなかったので、投げていてプレッシャーを感じることはありませんでした。 ――そんな中でもマウンドを楽しめるマインドはどうやって持つことができたのでしょうか。 湯田 練習をして、試合で場数を踏む――。その繰り返しだと思います。最初にベンチ入りした2年夏の宮城大会は一番緊張しました。特にこれといったマインドはないんですけど、「自分はこれだけやったんだ、これだけ経験したんだ」という自信が大事です。最終学年では「先輩たちがいないので、自分たちが引っ張るしかない」と思ってやりました。 ――湯田投手の1学年下のチームは、今年の宮城大会決勝戦で負けてしまいましたが、どんな言葉をかけたいですか? 湯田 決勝戦は実際に球場に見に行きましたが、相手打線(聖和学園)がスゴくて、なかなか流れが来なかったですし、相手打線は本当に仙台育英を研究しているんだな、と思いました。負けたあとは声をかけにくかったですね。新チームを迎える1、2年生はセンバツに向けて頑張ってほしいですし、引退した3年生は次のステージで野球を続けるか、続けないかわからないですけど、次のステージに入るまでの時間を大切にしてほしいです。