「慶應の大応援は想定内」昨夏甲子園準V・仙台育英のエースが語った「甲子園で勝ち上がるために必要なこと」
コンディション調整が第一
――湯田投手の150キロを超える剛速球は、フォームを極めただけではなく、トレーナーさんなど外部指導も大きいと聞きました。 湯田 本当に大きいです。入学当時は133キロで、同級生で最も速かったのは髙橋(煌稀・早稲田大)の140キロでした。球速を伸ばせたのは仙台育英の環境の良さがすべてですね。僕はトレーナーさんには技術的なこと、コンデイションのことをどんどん質問しましたし、トレーナーさんは1人1人に合ったメニューも提案してくれました。それが自分にマッチしていました。もう1つの決め球であるスライダーもフォームが良くなったことで、自分の投げたいイメージがどんどん近づいて、スライダーも速くなって130キロを超えるようになったんです。 ――甲子園期間中はトレーナーさんとどんなコミュニケーションをとるのですか? 湯田 映像を見返したり、球場で見てもらった客観的なイメージを話してもらって、自分の想像しているイメージと合っているか、合っていないのかのすり合わせをする作業をやっていました。あとはコンディションについての相談を行いました。 ――今の野球界はフォームのメカニズム、コンディションのプロフェッショナルが増えています。そういう方のアドバイスはどんどん聞いたほうがいいですか? 湯田 もちろん聞くべきです。公式戦でベストピッチングするための条件をあげるならば、「コンディションを整えること」が一番です。やはりしっかりと投げられる体にするために、知識のある人に話を聞いてどうするかが大事です。 ――湯田投手の投球を見ると常に思い切り腕を振っているように感じます。あのときはなにを考えていますか? 湯田 考えないことですね。試合前の分析はしっかりやりますし、フォームの修正、調整はいろいろやりますが、マウンドに立った時、考えすぎるとフォームがバラバラになってしまいます。自分はネガディブな事は考えず、ポジティブな気持ちで思い切り腕を振っていました。「打者は打っても3割だ」「投手は有利」という思いながら楽に投げていました。走者が出ても「ヤバイ、ヤバイ」と思いませんでした。「ヒットも打たれて当たり前、ピンチを作られても当たり前」と思っていました。