子どもの英語習得のために「早期のバイリンガル教育」より大事な“感情”とは 専門家が指摘する「子どもの将来のため」に潜むリスク
大事なのは「コミュニケーション欲」を育むこと
「親が外国の友人と楽しそうに話しているのを見て、『この人たち、何をこんなに楽しそうに話しているのだろう?』と興味を持ち、自分の好きなドラマを観ながら『私もこんな風に英語が話せたらいいな』という思いに駆られる。『英語は国際社会で必要だから話せるようになった方がいい』云々ではなく、『しゃべりたい』『知りたい』という感情が重要だと思うのです。では、このコミュニケーション欲はどこで育まれていくのかというと、それは家庭でしかありません。とりわけ母親が投げかける母語やノンバーバルコミュニケーションを全身で受け止め、『人と話すことは楽しいな』『新しいことを知るのはワクワクするな』と感じるようになる。これが、人間の脳の発達には大事なのです。その時間をおざなりにして、一見して将来に役が立ちそうな習い事を詰め込むのは、本末転倒なのです」 後編「『もう死にたい』と口にする不登校の少女が母親に心を開いたきっかけはYouTubeだった…小学1年生からタブレット学習が始まる時代の『親の役割』」では、小学校で導入されるタブレットなどを用いたICT教育について、成田氏がその功罪を語る。
取材・文 石渡真由美(ライター) デイリー新潮編集部
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