高校生の娘が私立大学への入学を希望しているのですが、うちは生活保護世帯です。生活保護を受けていても私立大学に入れますか?
私立大学の学費
私立大学の学費は国立大学と異なり、学部・学科により大きく異なります。文部科学省の調査によると、令和5年度の初年度学生納付金等(授業料、入学料、施設設備費の合計)について、文科系学部は119万4841円、理科系学部は153万451円などとなっています。 学生生活を送るには、学費のほかに生活費もかかります。これらの費用を賄うために、高等教育の修学支援新制度を活用しましょう。
高等教育の修学支援新制度
高等教育の修学支援新制度とは、原則返還しなくてもよい給付型奨学金の支給と入学金・授業料の減免により、大学等で安心して学べるようにする制度です。 住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生が対象です。給付型奨学金は高校で卒業年次の春ごろ予約申込みすることが可能です。申込時期は、在籍している高校で確認してください。予約申込後、候補者に採用されても国または自治体の確認を受けた大学等でしか支援を受けることができませんので注意しましょう。 この制度を利用するには、父母と本人が「所得・資産の基準」および本人の「学力基準」の両方を満たす必要があります。 父母が「生活扶助」を受けていれば、本人の所得・資産で判定し、所得に応じて支援区分が決まります。また、世帯収入等の基準を満たしていれば、「学力基準」は成績だけで判断せず、しっかりとした「学ぶ意欲」があれば支援を受けることができます。 私立大学に通う生活保護世帯の出身者に対する給付型奨学金の支給月額は、自宅から通学する場合は4万2500円、自宅外から通学する場合は7万5800円となります。 給付型奨学金の対象者は、進学先の大学等で申込むことで入学金と授業料の減免を受けることができます。私立大学に進学する場合、最大、入学金26万円、授業料70万円の減免を受けることができます。 あくまで、これらの支援が受けられるのは進学後である点に注意してください。私立大学等に合格した場合、入学手続きとして1~2週間以内に入学金と前期分の授業料などを納付するのが一般的です。 この納付金は、アルバイトや社会福祉協議会の生活福祉資金(教育支援資金)などで用意しておく必要があります。進学を決めた早い段階からケースワーカーに相談してください。