ウクライナ軍、ヘリから機関銃でドローンを撃ち落とす 第二次大戦式
ロシア軍の監視ドローン(無人機)に群がられ、それでいて10万ドル(約1450万円)程度のそうしたドローンを撃ち落とすのに100万ドル(約1億4500万円)の地対空ミサイルを使う気にもなれないウクライナ軍は、あり合わせのものでもっと安上がりに撃墜する方法を編み出してきた。 機関銃を搭載したトラック部隊を編成し、徘徊させて迎撃させる。Yak-52練習機を飛ばし、後部座席から射手にショットガン(散弾銃)で撃たせる。さらに、ドローンの操縦士にドローンを敵ドローンに体当たりさせる訓練もさせている。 現在、ウクライナ軍は、Mi-8輸送ヘリコプターの機首に据え付けた機関銃でロシア軍のドローンを撃墜している。第二次世界大戦中、重爆撃機の機首の球形銃塔(ボールターレット)に射手が就き、敵戦闘機から自機を守っていたことを想起させる迎撃方法だ。 今週、機関銃で武装したMi-8がドローンに対する迎撃戦闘を行う動画がネット上に公開された。動画では操縦士と副操縦士の間に座った射手が、機首のガラス窓から突き出した機関銃を射撃し、ヘリの前方斜め下を飛ぶドローンを撃破している。射撃後、コックピット内に硝煙が充満する様子も見える。 Mi-8はもともと、スタブウィング(機体左右に張り出した小翼)の下や、開いたサイドドア部分に銃を設置できる仕様になっているが、機首の下部に銃を装備した機種は少ない。しかし、機首が固形構造のソリッドノーズでない透明のガラス窓タイプであれば、可変式マウントを取り付けて機首越しに銃を撃てるようにできるようだ。開口部は帆布のフラップで覆われる。 ウクライナ軍はMi-8と、同様のMi-17多目的ヘリコプターを合計で70機ほど運用しているとみられ、機首がガラス窓タイプのMi-8も数種類保有する。Mi-8/17は2022年2月の戦争拡大前には50機ほどあり、これまでに30機ほどを失う一方、支援諸国から50機弱を供与されている。