子どもの貧困の問題支援団体青砥氏らが会見(全文1)雇用と教育、2つの原因
日本における子どもの相対的な貧困問題について全国子どもの貧困・教育支援団体協議会の理事長を務めている青砥恭氏らが21日午後3時に会見をする。 【中継録画】子どもの貧困の問題について支援団体の青砥恭氏らが会見 今年4月のユニセフの報告によると、相対的な所得格差について経済協力開発機構(OECD)加盟国で格差の小さい国から順位をつけると日本はの41カ国中34位であることが明らかになった。 会見の出席者は以下の通り。 青砥 恭氏(全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事) 栗林 知恵子氏( 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長) チャールズ・マクジルトン氏(セカンドハーベストジャパン理事長)
日本の子どもたちが置かれている現状について
青砥 :じゃあ、よろしいですか。はい。皆さんこんにちは。私は全国の今、子ども貧困に対してどう解決するか、教育、学びですね。ラーニングを中心として、解決しようというふうに頑張っている全国の団体のリーダーです。 今から、今、子ども、日本の子どもたちが置かれている現状を、まず概略的にお話をしたいと思います。この図は子どもの貧困率の推移と家族形態です。この25年間で日本の子どもたちの状況が、非常に厳しくなっていることがよくお分かりだと思います。特に日本では1990年にバブルが崩壊をしたあとの、この貧困化、貧困化の問題っていうのは2つ要因があって、1つは雇用と、教育に2つ、大きな責任がありますけれども、それが非常に厳しくなっている。 16.3%というのは子どもの数、17歳以下でいうと350万人です。4人世帯でだいたい300万円以下世帯というふうに考えられています。これは小・中学生で、公立の小・中学生の就学援助というふうにいわれていますけれども、この就学援助は学校に通うためにどうしても必要な、これがなければ学校に通えないという子どもたちがこれだけ多いという、これは1つのエビデンスです。 これも子どもの貧困率と似通った数字ですけど、だいたい16%。日本の子どもの、全ての子どもの6人に1人です。非常に深刻なのはこのデータで、これは日本の高齢者と生産年齢人口の比率です。2010年は3人、3人の生産年齢人口が1人の高齢者を支える。今、二十歳代で大学にいっている若者たち、20歳代の若者が60歳代の高齢者になるころには、1人しか自分を支えてくれる、働いてくれる人はいません。 日本の高齢化は世界の先進国の中で最も深刻なものです。貧困の問題と高齢化問題はまったく重なり合ったものです。それはすなわち少子化で、日本の労働力世代が、労働力階層が非常に減少していく、日本社会の衰退を意味しています。このデータは日本の空き家の問題です。これは地方だけではなくて、首都圏でも空き家は極めて深刻です。今、日本全国で空き家は13%あります。15年後には3軒に1軒、3分の1が空き家になります。少子化問題と空き家問題、空き家というのはまさに日本社会が力を失っていく、確実に衰退していくということを将来的に見えると思います。 結婚しない若者たちも非常に増えています。これは結婚できない、しないのではなくて、実際、賃金が安くてできないのです。日本の若者の自殺率は先進国の中でも一貫してトップです。われわれの資産では、日本の教育費は世界で最も高いと思います。日本の大学進学率は54%ですけれども、大学に進学していった若者たちの今、10%は中退していきます。最大の要因は授業料が払えないのです。日本の私立大学の平均的な授業料は今、100万円を超えます。1年間で、です。4年間通うとほぼ600万円掛かるといわれます。家計からの給付はほとんど不可能ですね。 これは大学の授業料の推移ですけれども、われわれが大学にいったころは、70年代から80年代にかけてですけれども、だいたい10万円、必要ではありませんでした、1年間に。今、国立大学でも、今は50万円、60万円になっています。これは文化系でも60万円掛かります。 これはなぜ、これほど上がるかというと、国からの援助がないからです。大学の運営費の国からの補助は全体の8%に過ぎません。これほど教育費にお金をつぎ込まない先進国があるでしょうか。子どもの中で格差がものすごく広がっています。親の学歴と、それから収入によって子どもの学力が規定されます。それを保障する、支えるすべが日本にはありません。それをわれわれ民間の力で、ボランティアでやっているのです。 これ以降は私たちの活動の様子をお示ししますけれども、これは。どうしましょう、あとで出しましょうか。 女性:今でも大丈夫です。はい。