SNSで話題のマンガ『お家、見せてもらっていいですか?』は実体験も! 憧れの”ご近所の気になるアノ家に突撃訪問”を疑似体験 佐久間薫先生インタビュー
キャラクターよりも「家が先」。シェアハウスは実体験を基に
本書で登場する住まいはすべて一戸建てですが、そのバリエーションは実に豊富。日本家屋にツタの家、ミニマリストの家、ゴミ屋敷、アイドルの要塞、お城のような豪邸、増築しすぎなシェアハウス、小屋などが登場し、この10年の住まいのトレンドを網羅しています。どのお家も絶妙に「見たい!」となるラインナップですが、取り上げるお家はどのようにして決めたのでしょうか? 「実はキャラクターよりも先に、取り上げる家を決めたんです。住んでいる町で散歩をしているなかで見つけた、豪邸、要塞のようなお家、ツタのある家など取り上げる家を先に決め、その後、どんな人が住んでいるんだろう、とキャラクターとして造形していきました。そういう意味で家にすべてモデルがあるんです。ただ、実際に直撃取材できたらよかったんですが、リアルではなかなか難しく、作画も大変でした」 なるほど、家に説得力があるのはそういうワケなんですね。また、シェアハウスは、佐久間先生自身が若いころ暮らしていた経験などを織り込んでいるそう。 「高円寺(東京都杉並区)に住んでいた若いころ、とても個性的な人たちに囲まれていたんですね。実際にルームシェアをしていたこともありましたので、割と実体験に基づいています(笑)」 また、佐久間先生自身、「増築しすぎな家」「九龍城」など、住人が自作をしていて、なんだかごちゃごちゃしている建築物がお好きだそう。完全無欠な家よりも、ちょっといびつで愛らしい、そんな絶妙な家、確かに魅力的ですよね。ちなみに、作中には「手造りの山小屋」も出てきていますが、この家だけは実際に取材しているそう。こうしてみると手間と愛情がつまっています。 「全編に家が登場するので、建築家の先生に監修に入ってもらい、資料などから作画し架空の家にしているのですが、これが本当に大変で。内観と外観の整合性をもたせるとか、小窓がここにあるのにあそこにないとヘンなど、矛盾なく絵に落とし込むのはとても大変でした。紙面が出来上がったら建築家の先生に見てもらってまた修正して、の繰り返しです」とのこと。 建築家の先生も本業があるなかでの作画の確認、修正を繰り返し、ほぼ1年をかけて1冊が完成しました。
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