清水エスパルス新体制発表⚽3季ぶりJ1「10位以内」目標
J1清水は8日、新体制発表記者会見を静岡市内で開いた。クラブ史上初めて2季連続でのJ2となった昨季は昇格と優勝の二つの目標を達成。3季ぶりとなるJ1での戦いに向け、山室社長は「10位以内を確実に狙う」と目標を示した。 今季のスローガンは昨季と同じ「ONE FAMILY(ワンファミリー)」。クラブ、サポーターが一丸となってJ1復帰とJ2優勝を成し遂げた成功体験を継承しつつ、絆を「もっと強く、もっと深く、もっと高みへ」との願いを込めた。 反町ゼネラルマネジャー(GM)は経営規模やここ2年をJ2で戦ったことを踏まえた目標設定だとし、「シーズン中に上方修正できることが一番好ましい」とあくまで上位進出を狙う姿勢は崩さないと強調。オフの補強については「秋葉監督の意向も踏まえて適材適所で選んだ」と説明した。 トップチームの強化とともに若手の育成にもさらに力を注ぐ。下部組織出身で元日本代表の市川大祐コーチの役職をトランジションコーチとし、トップとアカデミー両方の練習に参加してより密な情報共有を図る。 就任3季目で初のJ1へ挑む秋葉監督は「J1で安定した戦いをできるチームにしてビッグサプライズを起こしたい」と意気込んだ。チームの始動から練習に参加せず、今季の契約が発表されていないFWカルリーニョスについて反町GMは「本人と代理人と協議している」と述べるにとどめた。
■残留でもう「1.5シーズン」、足元を見つめた戦いに
昇格が絶対条件だった昨季以上に重要な1年になる。3季ぶりのJ1を戦う清水。残留すれば、Jリーグのシーズン移行の関係でもう〝1.5シーズン〟をJ1で戦えて、復権を目指すクラブにとってチームづくりの重要な時間を確保できる。もちろん勝ち続けるに越したことはないが、クラブが「トップ10入り」を目標に掲げたように足元を見つめた戦い方も必要になる。 「J1では中堅クラブ」。秋葉監督は昨季昇格が決まった段階から何度も口にしている。J2では圧倒的な選手層や資金力を誇り優勝で終えたが、J1ではその水準が当たり前で、それ以上のクラブと渡り合わないと上位進出はないと受け止める。 昨季、年間を通じて主力を張ったGK権田やDF原、MF中村、FWブラガらが退団した。走力、対人能力などのほかに新戦力のポイントとなったのが同じポジションの既存選手よりも若い選手の獲得。新加入選手11人のうち、10人が10、20代の選手で、チーム全体の平均年齢は24・3歳になった。 昨季より厳しいシーズンになるのは間違いない。今季の目標に加え、「持続可能なチーム」を目指すとも掲げた。チーム、若手選手の成長を我慢強く見守れるか。J1が「本来いるべき場所」というにふさわしい戦いを見せたい。