マイク・タイソンと戦うジェイク・ポールとは一体何者?|登録者2000万人級YouTuber兼プロボクサーの経歴・戦績・資産
ジェイク・ポールのボクシングでの戦績は?
前述したDejiとのボクシング対決が、ジェイク・ポールの競技キャリアのスタートになった。2018年8月、英国マンチェスターアリーナで行われたインフルエンサーたちによる素人アマチュアボクシング対決企画で、兄のローガンはKSI(Dejiの実兄)と対戦した。ジェイクは5回TKOで勝利した。 インフルエンサーボクシングの可能性が見出されたのは、2018年3月に行われた、KSIとYouTuberのジョー・ウェラーのSNS上でのビーフ(喧嘩)の決着戦となったボクシング対決がキッカケだったが、この企画はボクシングの正統派ファンではなく、動画世代・Z世代にヒットし、これまでのボクシング業界の常識を破壊する大きなムーブメントになっていく。大きな手応えを得たポール兄弟はプロに転向。KSIもインフルエンサーボクシングビジネスに乗り出し、新興の動画配信会社Trillerや、エディー・ハーン率いる英大手プロモーションのMatchroom社もこぞって彼らと契約した(ハーン氏は今回のタイソン戦については批判的な立場だが、ビジネスとして関われなかったから?)。 エキシビションビジネスに傾倒する『ザ・マネー』フロイド・メイウェザーもこの新たな金脈ににじり寄り、ローガン・ポール、Dejiとのエキシマッチで大金を稼いだ。 ただ、このムーブメントは大金を生んでも、あくまでメインストリームのボクシングシーンとは完全に異なるものというのがボクシングファンの評価だった。この点で賢かった兄ローガンは、自身の影響力に加え、メイウェザーと戦ったというボクシングキャリアを売りに、世界最大のプロレス団体『WWE』と大型パートタイム契約。その身体能力の高さとプロレスへの適性を証明し、スーパースターとしての一定の地位を築いた。 一方、ジェイク自身はボクシングに軸を置いてきた。2020年にプロ転向以降、ジェイクのボクシングでの戦績は10勝1敗だ。 プロ初戦では同じくYouTuberのアネソンギブをTKOで下すと、次戦では元NBA選手のネイト・ロビンソンと対戦し、2ラウンドでノックアウトした。2年目の2021年には3試合を行い、元MMAチャンピオン歴を持つベン・アスクレン、タイロン・ウッドリーに勝利、ウッドリーとは2度戦っていずれも勝利した。 伝説的MMAファイターのアンデウソン・シウバを破ったあと、ジェイクは2023年の幕開けにようやく真のボクサーと言える相手、トミー・フューリー(タイソン・フューリーの異母弟)と対戦して初めて敗れた。 その後、MMAレジェンド、ネイト・ディアズ戦の勝利では、彼の有酸素運動能力の高さを示した。対プロボクサーというテーマにおいては、アンドレ・オーガストとライアン・ボーランドというボクサーたちと対戦しているが、対戦相手の格的にも「プロボクサー ジェイク・ポール」の評価を高めるには至らなかった。 世間の関心の低さに落胆したジェイクは、そのターゲットをボクシングアイコンのひとり、マイク・タイソンに絞った。しかし、タイソンの潰瘍の再発により、7月に予定されていた試合は11月に延期された。 ジェイクは延期になったタイソン戦の代わりに、総合格闘技とベアナックルファイトのスター選手として活躍するマイク・ペリーと7月に戦い、TKOで勝利した。