知られざるベトナムのリゾート。自然保護地域で過ごす、アマノイの休日。
安近短の海外旅行先として人気を誇るベトナム。日本人にとっては、ホーチミンやハノイでの食べ歩きや雑貨ショッピング、フエやホイアンでの古都巡りが定番の遊び方だが、実は欧米や中華圏の富裕層たちは「世界屈指のビーチリゾート先」として熱い視線を注いでいる。 【画像】もっと写真を見る(21枚) なかでも人気なのが、ニャチャン周辺。南北に細長い形をしたベトナムの中南部に位置し、エメラルドグリーンに輝く透明度の高い海と、採れたての海鮮料理が評判だ。玄関口となるカムラン国際空港へは日本からの直行便はないものの、ベトナム国内で乗り継いだあとは40分~1時間半ほど。フライト数も多いため実はアクセスしやすいリゾートと言えるだろう。 今年の私の夏休みは、円安・物価高の影響も加味しつつ、かねてから興味があったこのベトナムのリゾートで過ごすことにした。ニャチャン近郊でステイ先として選んだのは、2013年に開業したベトナム初のアマン、アマノイだ。
日常と隔離された圧倒的なロケーションと、 おこもりに最高な私的空間。
正直に言うと、ベトナムでのリゾートステイは初めてだったので、一抹の不安もあった。だが、結論から言うと、過去に泊まったリゾートホテルと比べても1、2位を争うほど、アマノイでの滞在は素晴らしいものだった。 そう強く感じることができた一番の理由は、アマノイのロケーションのおかげだろう。サンスクリット語で「平和なる場所」を意味するアマノイは、ヌイチュア国立公園という自然保護地域内に位置している。カムラン国際空港から専用送迎車で向かう道中は東南アジア特有の喧騒が見られたが、70分ほど走るとまるでベトナムから違う国に入国したのでは、と思うほど人里離れた楽園が広がっていた。 アマノイの客室は全部で4タイプ。眺めのよい木製のサンデッキを有した「パビリオン」、デッキにプライベートプールも備わった「ヴィラ」、スパ施設を兼ね備えた「ウェルネスプールヴィラ」、そして専属バトラー付きの「レジデンス」に分かれている。 パビリオンとヴィラの間取りは共通で、リビングスペースを中心に、片側にバスタブとシャワールームが分かれたバスルーム、反対側には上質な眠りをかなえてくれるベッドが置かれ、シームレスにつながっている。今回滞在した「オーシャンプールヴィラ」はプールが備わり、インフィニティエッジになった先から、ヴィンヒー湾と南シナ海の素晴らしいパノラマを同時に堪能することができた。デッキの一番奥がシャワールームと直結する機能的なデザインになっており、プールから上がったらすぐにシャワーを浴びるもよいし、サンデッキに置かれたベッドチェアに腰掛けて、体が自然に乾くまで読書を楽しむのもよい。 このプライベート空間の居心地が良すぎるため、食事の何度かはインルームダイニングでいただいた。なかには滞在中、一歩も外に出てこないゲストもいるそうで、その気持ちも十分にわかる気がした。 もちろん、部屋の外に出てもアマノイは楽園である。より積極的に心と体を解きほぐしたければ、湖畔沿いのアマン・スパへ足を運ぶとよい。ここには充実のフィットネス施設やスタジオがそろっており、心身のメンテナンスの拠点となる。専門のセラピストにお願いすれば、一人ひとりのゲストに合わせたウェルネスプログラムも準備してくれる。ここからの眺めは動的なオーシャンビューではなく、静的なレイクビュー。この穏やかな眺望も、一度自身の健康状態を見つめ直すのにはぴったりだと個人的に感じた。 セラピストによるトリートメントでは、シグネチャーメニューの「アマノイスパ」を受けさせてもらった。到着してすぐだったのでとにかくリラックスしたく、おすすめされたロータスとペパーミントのオイルを選択。その効果もあってか、開始数分で寝落ちしてしまうほどの心地よさだった。スパにはプライベートハイドロセラピースイートが2部屋あり、それぞれに温石トリートメントテーブル、スチームルーム、ジャグジー、冷水のプランジプールが備わっている。こちらはトリートメントの有無にかかわらず利用(有料・要予約)できるそうだ。