Go Toトラベル、10月1日から東京追加“予定” 西村担当相「感染状況見極め判断」
政府は11日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会を開いた。その後、西村康稔(やすとし)経済再生担当相は記者会見で、観光支援策「Go Toトラベル」キャンペーンについて「東京を対象にすることについて10月1日からスタートすることを予定しつつ、今後9月下旬にかけての感染状況を踏まえて、よく見極めながら最終的に判断していきたい」と述べた。
同キャンペーンは国内旅行をした際の旅費の50%相当額を政府が補助するもので、夏休みシーズン前の7月22日に開始した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた東京都発着の旅行や、都居住者による旅行は対象から外された。
分科会の提言は?
一方、会見に同席した分科会の尾身茂会長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)は「感染対策を社会全体が徹底すれば、社会経済の制限を徐々に緩めることは可能」と説明しつつ「感染レベルが落ち着く前に社会経済活動を再開すると、人の移動が活発化し、感染が再燃する可能性が高くなる」との見解を示した。 分科会は(1)病床のひっ迫具合(病床全体・重症者用病床)(2)療養者数(3)PCR陽性率(4)新規報告者数(5)直近1週間と先週の比較(6)感染経路不明割合――の6要素を指標として地域ごとの感染拡大の深刻度を4つのレベルに分ける考え方を示している。尾身会長はこの考えを前提とし、「Go To トラベル事業などを通してさらに社会経済活動を促進する際には、各都道府県の判断で感染レベルがステージ1または2相当まで下がっていることが求められる」と語った。 また、「小規模でかつ時と場所が分散される『小規模分散型旅行』が定着することを期待したい」とも述べた。「小規模分散型旅行が普及するようなインセンティブをGo Toトラベル事業の中に組み込んでいただきたい。あまり混んでるときにいかないで、空いているときに行く、いわゆる『ダイナミックプライシング』の考えを取り入れていただきたい」とも提言した。
いまの東京のレベルは?
分科会は「ステージ1、2相当まで下がっていることが求められる」と提言。では、現在の東京のステージはどの程度なのか。 西村担当相は「いくつかの指標がステージ2、いくつかの指標がステージ3を示している。ステージ3にあるとは言えない状況だと思う」との認識を示した。また「さらに言えば減少傾向が明確になっており、それぞれの数値は改善している。10月1日からのスタートについて(分科会からも)基本的に了解をいただいたと考えている」と話した。 ただ、分科会での議論を受け、「何かブレーキを思いっきり外して、今度はアクセルを思いっきり踏む、そういう状況ではない」とも語った。