神武東征での勝利の舞いを奉納し作物の実りに感謝 橿原神宮で新嘗祭
建国の祖とされる神武天皇をまつる橿原神宮(奈良県橿原市久米町)で23日、境内の神饌田(しんせんでん)で収穫された新米を供えて実りへの感謝と国民の安寧を祈る「新嘗祭(にいなめさい)」が行われ、全国の崇敬者ら約520人が参列した。 祭典では、神職が祝詞(のりと)を奏上し、神武天皇ゆかりの「久米舞(くめまい)」が奉納された。この舞いは、神武東征で戦いに勝利した際に久米部(くめべ)と呼ばれる兵士が歌舞を演じたのが始まりとされ、剣を振り下ろす所作が特徴。同神宮の新嘗祭とともに、天皇即位後に宮中で初めて行われる新嘗祭「大嘗祭(だいじょうさい)」など限られた儀式で披露されるとあって、大勢の参拝者が見入っていた。 久保田昌孝宮司は「今年は猛暑に見舞われながらも農家は農作業に精を出され、作物の実りに感謝したい」と話した。境内では橿原市農業祭も行われ、新米の無料提供や農作物販売、姉妹都市・宮崎市の特産品などが販売された。