心も体もゆるんでみよう 日常を「整体」視点で捉えた漫画じわり人気
「仕事のことわり方」「話のきき方」――。日常生活の何気ないテーマについて、整体の視点からユニークに描く、整体漫画「地球のさわり方」がじわじわと人気を集めている。3月からウェブで連載し、10月には豆本の販売も始まった。きっかけはコロナ禍で不安を感じる人々だった。 制作したのは整体指導者の川崎智子さん(54)=東京都=と、漫画家の鶴崎いづみさん(42)=同=の2人。川崎さんが整体で施術する中、コロナ禍で自身の行動に悩む人が増えたと感じ、「物の見方を変える」という整体の考え方が生かせるのではないかと思ったことなどがきっかけ。親交のあった鶴崎さんと「地球のさわり方」の先駆けとなる作品を作るなどしていた時、対談イベントなどを開催していた、カフェや雑貨販売をする「くらすこと」(福岡市中央区平尾1)の藤田ゆみ代表の提案でウェブ連載が始まった。 連載は全12回予定で、月に一度新作を公開する。「ゆるむ」をテーマに、第1回の「ねどこのつくり方」から、現在は第8回の「犬のわらい方」まで公開中。内容は鶴崎さんの経験などを元に日常の出来事についてユーモアを交えながら、整体的に捉えた視点を15コマの漫画で伝える。 「失敗のし方」では、「失敗してはいけないと人は思いがちだが、プロ野球では3割打てると超一流だといわれている」と始まる。「困ってる状態をつくらないためにも、前向きに失敗することが大事。普段からこまめに失敗し慣れておくことをおすすめする」として、カップ麺にお湯を入れて10分置くことやサンダルで出社することなどを紹介して笑いを誘う。さらに全編で柔らかいタッチの絵が面白さと共感を生んでいる。「気楽に見てもらえるようにあえてとぼけた表情で描いている」と鶴崎さん。 現代社会で生きづらさを感じたり、自分を見失ってしまったりする人は少なくない。川崎さんは「休息することで初めて考えられるようになることもある。漫画が心も体もゆるむきっかけになってくれればうれしい」と話す。 豆本(税込み352円)はくらすことの店頭で販売。問い合わせはくらすこと(092・401・1606)。【田崎春菜】