高解像度化が進む液晶――普段の作業に適した画面解像度は?
いま皆さんは本記事をPCやタブレット、スマートフォンなどで閲覧されていると思いますが、その表示部であるディスプレイはここ数年で大きな進化を遂げています。たとえば直近では、富士通が14型ワイド液晶で3200×1800という超高解像度を実現したUltrabook「LIFEBOOK UH90/L」を6月28日に発売します。 14型ワイド液晶を搭載したノートPCの画面解像度は、これまでスタンダードモデルでHD(1366×768)、ハイスペックモデルではフルHD(1920×1080)が主流となっていました。3200×1800といえば、フルHDの約2.77倍、HDと比べると約5.49倍にも相当するのです。
これはまさに驚くべき進化ですが、今後は14型クラスでこうした高解像度液晶が主流になっていくのでしょうか。ひとつ気になる点は、実際の使い勝手です。同一の画面サイズで解像度が高くなれば、複数ウィンドウを開いての作業がやりやすくなる反面、当然ながら文字やアイコンの見え方も小さくなります。その状態で長時間、報告書や表組み作成などの作業をしていると、いくら高精細とはいえ目が疲れやすくなる可能性があります。 ちなみに「LIFEBOOK UH90/L」の場合、用途に応じて表示サイズが切り替えられるアプリケーションを導入することで、使いづらさの解決を図りました。このように画面表示の拡大・縮小ツールを使う方法も考えられますが、その場合は素早くかつ違和感なく操作できるツールの存在が非常に重要といえるでしょう。 写真や映像に関しては、画面解像度が高いほど美しく見えます。ただしこちらの難点は、そこまで高精細な映像ソースが一般化していないことです。また、映画などを視聴する際、14型クラスでは少々迫力に欠けるという部分もネックになります。 もちろん、ノートPCでここまでの高解像度を実現した技術は素晴らしく、製品としても完成度の高い仕上がりを見せています。しかし、一般的なユーザーの使い勝手から考えると、14型クラスでは一番使いやすいフルHDクラスが主流となり、デスクトップPCのような20型以上の画面サイズで高解像度化が進む、というのがもっとも理想的な方向性ではないでしょうか。