「他人にイラっ」とした時こそチャンス...その感情を掘り下げると、「自分の才能」が見えてくる
「国語・算数・理科・社会・自己理解」の世界をつくりたい
──八木さんにとっての最終目標は「国語・算数・ 理科・社会・自己理解」といわれる世界をつくることだそうですね。 自分の才能が見つからない、生かせないことの根本原因は教育にあると思っています。 僕が小学5年生のころ、クラスに引っ込み思案なCさんがいました。Cさんは国語の授業で当てられ、教科書を読むことになったのですが、なかなか大きな声が出ません。 すると先生がみんなの前で「もっと大きな声を出せるでしょ」と叱りました。Cさんは一生懸命やっていますが、やはり大きな声は出せません。そんなCさんを、先生は「どうしてできないの? 努力すればできるよ」と叱責し続けました。 僕はその光景を見て、怒りとともに、「努力すればできる」という言葉に対する違和感と怒りを覚えました。そしてそのモヤモヤ感は今でも残っています。 先生は「できないことや苦手なことを克服するのがいい人生だ」という思いから、Cさんを叱ったのでしょう。それは、才能や自己理解について深く知る機会がなかったからだと思います。 日本では、たいていの人は足し算・引き算・かけ算・わり算ができますよね。これってすごいことではないでしょうか。誰かが教育の仕組みをつくったから、算数がみんなの共通言語となっているのです。 僕の願いは、自己理解も算数と同じように、みんなが当たり前にできる世の中にしたいということ。これが実現すれば、世界はもっともっと良くなるだろうと思います。 ──本書をこれから読む人に向けて、メッセージをいただけますか。 本書は、つい他者と比べて「自分はダメだ」と思い込んでいる人に読んでもらいたいです。 他者との比較ばかりしているのはつらいですし、ずっとせかされているような気分でしょう。やがて生きる喜びがなくなってしまうかもしれません。 そして、たとえ人よりいい結果を残せたとしても、上には上がいますから、「もっと、もっと」と終わりのないゴールを追いかけることになります。 そうならないように、自分の中の絶対的な才能という、いつでも立ち返れるものを見つけてください。 気づいていないだけで、才能はあなたの中に大事な宝物として存在して、あなたに生かされるのを待っています。ぜひ才能を見つける時間をとってほしいです。 <八木仁平(やぎ じんぺい)> 3ヶ月10STEPでやりたいこと探しを終わらせる「自己理解プログラム」を提供する、株式会社ジコリカイ代表取締役。高知県生まれ。早稲田大学卒業後すぐに独立したものの、お金以外の働く目的を見失って鬱状態に。本当にやりたいことを見つけるため、独自の「自己理解」に取り組む。その手法を発信し始めたところ、ブログは累計2600万PV、Twitterフォロワー数4万人超に。「自己理解プログラム」には全国から問い合わせが殺到している。最終目標は「国語・算数・ 理科・社会・自己理解」といわれる世界をつくること。共に実現を目指すメンバーを募集中。著書に、30万部を突破した『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(KADOKAWA)がある。 <flier編集部> 本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。 通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されており、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。 このほか、オンライン読書コミュニティ「flier book labo」の運営など、フライヤーはビジネスパーソンの学びを応援しています。