【体験談】娘に有利な受験校は? 海外留学はどうする? 父親の戦略的なサポートで大学選び
英検準1級を生かして一般受験
――受験校はどのように絞ったのでしょうか。 父:受験校を決めたのは3年の早い時期です。ダブル・ディグリー・プログラムがあることを条件に、英検準1級を取っていたことから、その優遇措置があることや、地方から上京しての大学進学だったので、少人数制で教授と学生の距離が近く、親身になって教えてもらえること、それから就職率も参考にしました。親子であれこれ話して、明治大学国際日本学部、昭和女子大学国際学部に絞り、そこに留学制度が充実していた大妻女子大学文学部英語英文学科を加えた3校にしました。 ――入試方式はどのように決めたのですか。 母:娘が通っていた高校は、いわゆる進学校でした。内申点が取りにくく、3年の6月まで部活に打ち込んでいたこともあり、学校推薦型選抜や総合型選抜は考えませんでした。 父:一般選抜で勝負したほうが、英検準1級を生かせるということもありました。 母:早めに志望校を絞ったことで、6月に部活を引退した後はすぐに受験モードに切り替えられたようでした。友達の影響もあり、塾の自習室に通いつめて黙々と勉強を進めていたので、私たちがしたことは、インフルエンザやコロナなどに配慮して車で送迎するくらいでした。
母親がホテルに付き添い、魚を料理
――受験当日に向けてどのような準備をしましたか。 父: 受験スケジュールが決まった時点で、すぐに宿泊先を確保しました。無理をすれば日帰り受験もできる距離ですが、それではきっと疲れもたまるだろうと思い、試験後もホテルでゆっくり休んでから帰宅するようなスケジュールにしました。宿泊先から受験会場までのアクセスなども調べて、それもリスト化しました。 母:受験本番のときは、私が一緒に上京しました。なるべく家にいるような感覚でくつろげるよう、いつも使っている寝具類を車でホテルに持ち込み、試験当日は朝、一緒に受験会場に行きました。私はその足でスーパーで買い物をして早めに宿泊先へ。ミニキッチンでおにぎりを作ったり、魚を焼いたりして、娘が試験を終えて帰ってくるのを待っていました。 ――それなら安心して受験に専念できたのではないでしょうか。受験結果はいかがでしたか。 母:1月のうちに昭和女子大学の合格がわかり、娘はホッとしていたようです。ネットで結果を確認した際に、「合格」の背景が桜の花だったのも、気持ちにプラスになったと思います。 父:早めに結果がわかったのは大きかったようで、共通テスト利用だった大妻女子大学も合格しました。明治大学は合格に1点及ばず不合格でしたが、その時点で気持ちは昭和女子大学にだいぶ固まっていたので、そのまま進学を決めました。 ――大学2年生になった現在の様子はいかがですか。 母:3年次の9月からダブル・ディグリー・プログラムに参加するには、大学の成績に加えてIELTS*のスコアも評価対象です。そのため大学で専門講座を履修したり、専門塾に通ったりして、IELTSの合格基準に達したところです。あとは大学の成績を落とさないように講義に集中し、成績評定のほうも合格ラインを目指している状況です。 *英語圏の国に留学、就労、移住を希望する人々の英語力を測定する国際通用性の高い英語試験。ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4つの英語技能を測定する。 ――受験を振り返って、いかがでしたか。 父:親がああしろ、こうしろと言うほど、子どもはその通りにしないものですね(笑)。娘はやりたいことがはっきりしているので、そういった言葉は極力言わないようにして、親としては娘がやりたいことを安心して実現できる方向にサポートするだけでした。 母:でも、それがよかったように思います。本人も感謝してくれているんじゃないでしょうか(笑)。 (文=山本知美)
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