【体験談】娘に有利な受験校は? 海外留学はどうする? 父親の戦略的なサポートで大学選び
英語を究めたいという娘の希望を、最大限にかなえられる大学はないか。大野宏さんとみどりさん(ともに仮名)夫妻が娘に勧めたのは、日本にいながら、日本と海外の2つの大学の学位を取得できるダブル・ディグリー・プログラムのある大学でした。父親が積極的に大学を調べ、日程の一覧表を作るなど、志望校選びに熱心だった親子の受験体験を紹介します。(イラスト=Michiko Nishikawa) 【写真】留学制度が充実している大学の情報をまとめた表(一部抜粋)
父が大学を調べ尽くして、一覧表を作成
――娘さんはどんなお子さんですか。 母:何に対しても積極的で、人見知りもせず、すぐに友達ができるような子でした。また、小さい頃から英語に興味があり、小学生の時には作文に「戸田奈津子さんのような通訳になりたい」と書いていました。高校も、海外短期留学プログラムのある学校を選びました。 ――そうすると、大学選びの条件も「英語を学べるところ」だったのでしょうか。 父:漠然とですが、娘はずっと海外に留学したいと言っていました。となると選択肢は、海外の大学に進学するか、日本の大学に進学してから留学するかの2つです。ただ親としては、就職のことを考えて、日本の大学の学位は取っておいたほうがいいと思いました。それで、長期留学できる大学をネットであれこれ調べるうちに、5、6年はかかるものの、海外の大学の学位も、日本の大学の学位も取れるダブル・ディグリー・プログラム*というものがあることを知り、これはいいと思って娘に勧めました。高校2年に上がる頃です。 *日本の大学に入学後、一定期間を海外の協定大学で学び、単位互換制度によって両方の大学の学位を得られるプログラム。 ――娘さんの反応はどうでしたか。 父:いいとこ取りができるところに興味を持ったようで、「大変そうだけどいいな」という反応でした。そこからは、どの大学にダブル・ディグリー・プログラムがあり、その大学の入試はどうなっているのか、私があれこれ調べていきました。 母:一覧表にして娘に見せていましたね。学部・学科のほかに、難易度や受験方式、英検など利用できる英語民間試験の種類や優遇措置の有無、試験日程、入学後に学べることを表にしていました。 ――家族一丸となっての受験準備でしたね。 父:私たちが受験した頃は、3教科さえ勉強しておけばどこの大学でも受けられるようなところがありましたが、今は複雑で、いろいろな入試方式があります。調べるうちにそんなことがわかってきて、情報収集はかなり手伝いました。高校生にもなると勉強は見てあげられないので、親がバックアップできるのはそれくらいですから(笑)。 母:希望がかないそうな大学が見つかって安心したのか、娘もうれしそうでした。 ――オープンキャンパスには参加しましたか。 母:コロナ禍で参加が難しかったので、2年の夏休みに家族で東京に行き、おいしいものを食べつつ、気になる大学を門の外から見て回りました。実際の大学を見て、周辺の雰囲気もわかったことは大学選びの参考になったと思います。