3歳児が布団に巻かれ死亡 母親が起訴内容認める 弁護側「1人で育児、静かにしてほしい一心」 千葉地裁初公判
検察側「騒音への指摘、負担感じていた」
千葉県我孫子市で2022年2月、長男=当時(3)=を布団に巻き放置して死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた母親の無職の女(28)=同市=の裁判員裁判初公判が17日、千葉地裁(鎌倉正和裁判長)であった。被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。 検察側の冒頭陳述によると、被告は事件当時、夫と長男との3人暮らし。事件後、夫と離婚した。被告はほとんど1人で育児や家事をする中で、近隣住民から騒音への指摘があるなど負担を感じていた。21年11月には、近隣住民が虐待を疑って我孫子市に電話し、市職員が自宅を訪問。被告はその頃から長男が泣き止まないと布団で巻くようになった。
弁護側「発達に不安、精神的に追い詰められ」
弁護側は「元夫が育児をほとんどせず、被告が(長男に)愛情を持って接していた」と主張した。1歳半健診では長男の言葉の少なさを指摘され、発達への不安を持っていた。騒音問題にも頭を悩ませていた被告は、役所や近隣住民から虐待を疑われたことで精神的に追い詰められていたと説明。布団で巻く行為については「(長男の)かんしゃくの収集がつかず、静かにしてほしい一心で、痛めつける意図はなかった」と強調した。 起訴状などによると、22年2月4日午後11時10~25分ごろ、当時住んでいたアパート一室で、長男の頭や全身を掛け布団や敷布団で覆うように巻いて放置し、翌5日午前1時半ごろ、吐しゃ物吸引による窒息で死なせたとされる。(本紙・千葉日報オンラインでは実名)