「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」(銀座メゾンエルメス フォーラム)開幕レポート。感情や記憶、人の生を静かに見つめる
東京都中央区の銀座メゾンエルメス フォーラムで、「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」がスタートした。 本展は、東京国立博物館(以下、東博)で開催されている同名の展覧会(~9月23日)と一連の流れを持って構想されたものだ(東博での内藤礼インタビューはこちら )。歴史と文化が宿る東博とは対照的に、銀座メゾンエルメスフォーラムは都市に佇む近代的な建築。しかしながら内藤は、ガラスブロックから差し込む自然光や都市の人工的な光と色彩に包まれるこの空間に、「生の没入」を見出すことを予感したという。 「東博の場で生じている生まれてくることと往くことは、私の心には近く、生の私には遠く、その遠さは物語とすることで関係を持ちうる。そういうものであったと感じております」(内藤)。
文=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部) 画像提供=銀座メゾンエルメス フォーラム