宝塚『ベルサイユのばら』初演から50年!初代と2代目オスカル、榛名由梨と安奈淳が語る「母に榛名さんが死に化粧を」「3日違いで救急車で運ばれて…」
◆病気を抱えつつもメンテナンスをしながら 安奈 そんな状態から、こうして2人とも元気になって……。私は膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスという自己免疫疾患の病気で、今も完全に治ったわけではないものの、薬を飲んでいる限りは元気に仕事ができます。 入院生活が長かったので、朝は早く起きて3食決まった時間に食べる、というルーティンが身についていて、それが崩れると調子が悪くなる。食べるものも肉・魚・野菜とバランスよく何でも食べますし、ほぼ自炊です。運動は歩くくらいですね。あとは自宅にトレーナーを呼んでピラティスをしたり。 榛名 私もたくさん病気をしました。人工股関節の手術をして両脚にチタンが入ってますし、今のところは薬で保っていますが甲状腺機能低下症です。ほかにすい臓の病気も経験したし、血圧も高い。不整脈があって、2年前には心臓のカテーテル治療も受けています。声だけは大きくて張りがありますが、ほかに何も自慢できることがないの(笑)。 でも、料理が好きなので外食はせず、3度の食事をバランスよく摂ること、睡眠の質を高めること、毎日1時間ほどウォーキングして股関節に筋肉をつけることなど、日々メンテナンスをしながらなんとかやっています。 安奈 5月には、私たちも出演する舞台『ベルサイユのばら50 ~半世紀の軌跡~』が控えています。こんなに続けてやれる演目は、今までなかったですよね。錚々たる顔ぶれのみなさんが出演されるので、今から本当に楽しみです。 榛名 私の名前が一番上のほうになってしまって、過ぎた年月を感じますけども(笑)。舞台人として活躍を続けている方がこれだけいて、この世界に自分たちもいたことを誇りに思います。宝塚歌劇団を背負うつもりで、新たな気持ちで舞台に立ちたいですね。
安奈 宝塚は私の一部。私の人生から宝塚を取ったら、少ししか残りません。受かって本当によかったです(笑)。厳しい世界でしたが、今は楽しかったことしか覚えていません。 榛名 私もちっちゃな頃から入りたかった宝塚に入って25年を過ごし、人生のすべてを学ばせていただきました。幸せでしたし、両親も幸せだったと思います。私たちの『ベルばら』を観て宝塚に入ったという人もたくさんいます。 よき時代を上級生から受け継ぎ、また次の世代にいでいく――。みんなを幸せにする素敵な世界だと思います。 安奈 お互い健康体ではないけどうまいこと不調を乗り越えて、最後に「いい人生だったなあ」と言って終われたらいいよね。 榛名 そうだね。私もそう思ってます。安奈さんの歌が大好きだから、無理せず頑張りすぎずに長生きしてほしい。お互い切磋琢磨しながら、励まし合いながらいけたらいいね。2人とも結構長生きしたりして? 安奈 それはどうかなあ。(笑) 榛名 いいじゃない、この際、100歳まで生きようよ! (構成=上田恵子)
榛名由梨,安奈淳
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