延床面積27坪の小さな家で、快適に暮らすために工夫した3つのこと
小さくても快適な家を建てるには、スペースを有効活用することが大切。「ランドリールームをつくらず、浴室で干す仕組みに」「ウォークインクロゼットは、割り切ってつくらない」「階段下を収納スペースにする」。そんな家を4年前に建てた日刊住まいライターが、自宅について語ります。延床面積27坪の総2階でコンパクトな家。暮らしやすさはいかに?
建てたかったのは「生活しやすい小さな家」
筆者は、4年前にハウスメーカーで注文住宅を建て、妻と2匹のネコたちと暮らしています。延床面積は27坪。総2階のコンパクトな家です。 夫婦ふたりの暮らしには、それほど大きな家はいりません。むしろ、生活しやすい小さな家にするため、人気の間取りや設備を採用せず、自分たちが実現したい暮らしを優先しました。 ちなみにLDKは日あたりのよい2階に。そして1階には、主寝室、個室(1つ)、そして浴室と洗面所がある間取りです。
まず実現したかったのは「ネコと快適に暮らせる家」
ワンフロアが13坪強をいう面積。階段スペースやトイレを差し引くと、一般的なLDKと変わらない広さしかありません。 じつはこの家で、実現したかった間取りがあります。それは、ネコと快適に暮らせる間取り。まず、リビングの隣には、ネコ部屋をつくりました。リビングで過ごしているときも、キッチンに立っているときも、ネコたちを眺められるようにしたかったのです。 小さな家ですが、その希望がかないました。さらに、3つの人気の間取りを採用しなかったことで、暮らしやすい家になったと思っています。詳しく紹介しましょう。
1.ランドリールームをつくらず、浴室で干す
夫婦共働きなので、以前から室内干しがメインの生活でした。それまで住んでいた賃貸では、リビングに物干しスタンドなどを置いて、部屋干しをしていました。 しかし、それだとくつろぎたいリビングに生活感が。また、来客があるときに、物干しスタンドごと寝室へ移動しなければならず、面倒に感じていました。 ランドリールームがあれば、急な来客でもバタバタあわてなくてすみそうです。それに、一連の洗濯家事(洗う、干す、しまう)が完結できるのも魅力的です。 しかし、その一方で、居室でないスペースに多く割くことは、もったいない気がしました。生活しやすい小さな家が希望なのに、「〇〇専用スペース」をつくると、ムダに家が大きくなってしまうからです。 間取りに悩んでいると設計士から、「浴室も使い方次第で、洗濯物は乾きますよ」と教えてくれました。そこで浴室と、とくに用途を決めていない4.5畳の洋室を室内干しする場所にしました。 写真は、洗濯物を浴室に干しているところです。奥が浴槽、手前が洗い場という関係性。洗濯機(写真右下)から洗濯物を取り出したら、すぐに干せる格好の位置にランドリーパイプを取りつけました。 この向きにしたことで、サーキュレーターの風が洗濯物全体にあたります。 半日ほどで乾くので、洗濯時間をずらしてシーツやブランケットも浴室に干しています。