【西武】球団史上最悪の屈辱…どん底を知った獅子は這い上がるだけ プロ野球12球団担当記者が見た2024年
止まらなかった悪すぎる流れ
今井と武内だけではチームの流れは止まらない。 6月11日広島戦、1点を追う9回2アウト二塁、一打同点のチャンスで、キャプテン・源田壮亮(31)がファーストゴロに倒れた。執念のヘッドスライディングも実らず、その場で源田はうずくまった。そこに7回2失点と好投した今井が涙ぐみながら支えた。勝ちたい気持ちと、結果が結びつかない。 前身の西鉄が1971年に記録して以来、53年ぶりとなるシーズン2度目の8連敗となった。 その後、7月・8月と4カ月連続で8連敗を喫し、9月10日には3年ぶりとなるシーズン最下位が確定。 優勝したソフトバンクには42ゲーム差をつけられ、2024年シーズンが幕を閉じた。 【西武ライオンズ 2024年成績】 49勝91敗3分け 勝率.350 防御率3.02(パ4位) 打率.212(パ6位)
歴史的低迷からの巻き返しへ キャプテンが若手に言及
前身の西鉄時代を含めるとパ・リーグ最多23度のリーグ優勝、13度の日本一を果たしている常勝軍団の低迷は深刻。 2018・2019年にリーグ連覇を経験した増田達至(36)、岡田雅利(35)、金子侑司(34)、強いライオンズを知る3選手も2024年に引退した。 シーズン終盤、悔しさが募るキャプテン・源田に話を聞いた。 源田壮亮: 「悔しさしかないシーズンなんですけど、若い選手がいっぱい試合に出て、これをみんなで来年どう生かしていくかっていうところが大事かなと思っています」 その中で源田は、104試合に出場し存在感を示した西川愛也(25)について言及した。 源田壮亮: 「本当に走攻守ですごくハイレベルな選手なんですけど、もっとリーグを代表するような選手になれると思う。バッティングも天才的な部分が大きくて、多分プロ野球で一番すごいバッティング練習してるなって僕は思っているので、すごく期待してます」 【2024年成績】 西川愛也 打率.227 6本塁打 31打点 8盗塁 源田が言うように、24年は多くの若手選手が出場した。 西川に続くのは、4番でチームトップタイとなる32試合に出場した山村崇嘉(22)だろう。 23年まで一軍出場はわずか4試合。24年は多くの一軍投手と対戦し、得点圏打率.311と勝負強さを見せ、持ち前の打撃力で大器の片鱗を示した。 【2024年成績】 山村崇嘉 打率.219 2本塁打 23打点 投手は今井、隅田、武内と安定感抜群の先発陣。 若手では高卒3年目の羽田慎之介(21)と菅井信也(21)がプロ初勝利を挙げ育ってきている。 ただ、そこに絶対に入ってこなければならない投手がいる。かつてエースとして3年連続2桁勝利を挙げるも、24年は0勝11敗に終わった髙橋光成(27)だ。 春季キャンプ中に右肩の張りを訴え出遅れると、シーズンに入っても調子が上がらず、開幕から11連敗。エースの復活が来季の順位を左右するといっても過言ではない。 髙橋光成: 「今年は投球フォームも探り探りで、ケガもありましたし、球速もでなかった。フォームをガラリと変える時期だと思っていて、今はそこに集中しています」 【2024年成績】 髙橋光成 防御率3.87 0勝11敗
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