日生社長「機動的な投資判断より重要に」、国債含み損解消進める
(ブルームバーグ): 日本生命保険の清水博社長は14日、同日まで開かれた日本銀行の政策決定会合に関連し、国債買い入れ減額や将来の金融政策の変更が起これば「一定程度の金利の変動が大きくなることが想定される」とした上で、相場状況に応じて「これまで以上に機動的に判断して、より利回りの高い債券に入れ替えていく。こうした投資判断と投資行動が従来以上に重要になってくる」と述べた。
生命保険協会の会長会見で、日生社長として述べた。清水氏は「金融政策が変わり、市場金利が上がってきたということで、日生においても国内債券に含み損が出ている」と説明。「財務基盤を揺るがすものではないが、金利の状況を見ながら含み損を解消し、相対的により金利の高い国債に入れ替えていくのが重要」と述べた。
一方、金融庁の有識者会議で、政策保有株式について「純投資」目的への変更というラベル替えの懸念や実態が不透明だという議論がある点について、国内株式を純投資として大量に保有する同社では「現時点ですぐに保有区分や基準を見直すことは考えていない」とした上で、今後の議論を踏まえ、契約者や関係者への説明責任を果たす観点から「もし不十分なところがあれば見直しも含めて検討をしていく必要がある」と述べた。
日生では3月末時点で政策保有株を約9600億円、純投資目的の株式を約13兆2000億円保有している。純投資については「長期保有が原則」と説明。市場環境や企業との対話を通じて投資判断を行っており、「国内株のポートフォリオが常に最適であるかを運用部隊がチェックしている」と述べた。
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Nao Sano