伊香、夏へ闘志燃やす センバツ21世紀枠補欠 /滋賀
第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の出場校を決める選考委員会が24日開かれ、「21世紀枠」の近畿地区候補校だった伊香は出場校に選ばれず、補欠校に回った。「自分たちには、まだチャンスがある。夏に向け、甲子園を目指したいという思いは強くなった」。部員全員の気持ちを代弁するかのように、竹原壮吾主将(2年)は胸を張った。【菅健吾、若本和夫】 部員たちは午後3時20分ごろ、長浜市木之本町木之本の同校グラウンドに集まった。結果を伝えた山田薫校長は「みんな、心の中に情熱や意気込みを十分持っている。夏の大会を実力で突破してほしい」と激励。小島義博監督(33)が「君ら自身が『やればできる』ということを夏の大会を通じて見せていこう。今日から新しいスタートや、と思ってやっていこう」と呼び掛けると、選手たちは元気よく「はい」と応じ、夏に向けて早速、練習に取りかかった。 伊香は地域貢献への姿勢や、少人数での工夫した練習などが高く評価された。竹原主将は「僕たちがやることは変わらない。これからも地域の方のために続けていきたい」。夏の甲子園に向け、主戦の隼瀬一樹投手(2年)は「こういう経験をさせてもらえるのも、滋賀では伊香だけ。チームに流れを作れるような投球をし、チームも地域も一丸になって夏は絶対に甲子園に行きたい」と決意した。 電動車椅子に乗る山本陸マネジャー(1年)は「甲子園には行きたかった。人一倍声を出して応援するので、夏は実力で勝ち上がってほしい」とチームを鼓舞した。 同校には地元の人も多く集まり、選考結果の知らせを待った。江戸時代の儒学者、雨森芳洲(あめのもりほうしゅう)の顕彰施設「雨森芳洲庵」(同市高月町雨森)の元館長で同校OB、平井茂彦さん(74)は「センバツ出場が地域に活気を与えてくれると期待していたので残念。選手たちには、センバツの分も合わせて夏に向けてがんばってほしい」と期待を寄せた。