芸術の都パリで活躍…才能を開花させた女性ら、現在も色あせず残り続ける 草加の獨協大学で講演会 フェミニズム運動の広がり、女性の権利拡充 時代背景など解説 19世紀末の美しき時代、パリの女性らは
19世紀末、芸術の都パリで活躍した女性について、埼玉県草加市の獨協大学外国語学部の阿部明日香准教授が6日、同大学で「ベル・エポックの女性たち」をテーマに講演した。 講演会は60周年を迎える同大学図書館が開いた。12月15日まで、東京都港区のパナソニック汐留美術館で、同時代のパリをテーマにした企画展が開かれている。 パリ万博(1889年)から第1次世界大戦(1914年)前夜にかけ、パリが芸術の都として華やいだ時代は「ベル・エポック(美しき時代)」と呼ばれる。フェミニズム運動が広がり女性の権利が拡充した。 阿部准教授は時代の背景やパリの様子を紹介。主に舞台で活躍した歌手やダンサーの生涯をポスターや絵画とともに解説した。その一人モダンダンスの先駆けとされるロイ・フラーは当時には珍しく、踊り手だけでなく演出やプロデュースにまで関わり、世界的な成功を収めた。 阿部准教授は「労働者階級で自由な精神、自らの生き方を選択し、自分の才能を開花させた人がたくさんいた。スペクタクルの世界で自分の女性性を切り売りし消費の対象となった側面もあるが、クリエーティブな試みで、現在でも色あせずに残り続ける女性が多くいた」と振り返った。