死亡の男性に防寒着や財布なく、監禁状態で追い込まれたか 踏切自殺強要事件
昨年12月、東京都板橋区の踏切で塗装工の高野修さん=当時(56)=が列車にはねられて死亡した事件で、高野さんが死亡時に防寒着を着用せず、財布なども所持していなかったことが11日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査1課は高野さんが殺人容疑などで逮捕された元同僚の佐々木学容疑者(39)ら4人に強制的に連れ出され、自殺に追い込まれたとみて追及する。 【表でみる】東京都板橋区の踏切で高野修さんが死亡するまでの経緯 捜査関係者によると、高野さんは昨年12月3日に死亡した際、サンダル履きで、財布や携帯電話も所持していなかったという。高野さんは佐々木容疑者らに2日午後11時半ごろに連れ出された。このときの周辺の気温は5度程度で、何も持たずに外出することは考えづらいことから、捜査1課は高野さんが自宅にいた状態のまま、監禁状態で現場踏切へ連れていかれたものとみて調べる。 また、高野さんを現場踏切へ運んだ島畑明仁容疑者(34)は逮捕前の任意聴取に対し、高野さんの死亡直後、佐々木容疑者から高野さんのアパート居室を片付けるよう電話で指示されたと説明していたことも新たに分かった。 島畑容疑者は衣類を捨てたと説明。事件後に捜査員が居室を調べた際、家具や生活用品以外のものはなく、片付いた状態だった。同課は事件の証拠を隠滅した疑いもあるとみている。