3着に終わった米BCクラシック 世界一を目指すフォーエバーヤング矢作調教師の闘い「やっつけないと」
[GⅠブリーダーズカップクラシック=2024年11月2日(日本時間3日)3歳上、デルマー競馬場・ダート2000メートル] 2日間(現地2、3日)で14ものGⅠが行われた華やかなBCデーの中で、メインに位置づけられているのがBCクラシック(GⅠ、ダート2000メートル)だ。ダート中長距離のチャンピオン決定戦に、今年は日本馬3頭が挑み、フォーエバーヤング(牡3・矢作)3着、ウシュバテソーロ(牡7・高木)10着、デルマソトガケ(牡4・音無)13着だった。 大歓声の中でスタートしたレースは、ブリンカー着用のデルマソトガケが果敢にハナを切る展開。最内1番ゲートに入ったフォーエバーヤングも押してデルマソトガケの直後をキープし、先行集団の一角を形成した。 前半4ハロン通過が44秒96の速いペース。2番手にいたフィアースネスからのプレッシャーがきつかったこともあり、デルマソトガケは早々に後退。フィアースネスが先頭に躍り出ると、後方にいたシエラレオーネなど各馬が徐々に位置取りを上げていく。フォーエバーヤングの坂井も呼応するように懸命に手綱を動かし、先頭を走る内のフィアースネス(2着)に追いつこうとするが、なかなか差は詰まらない。最後は外のシエラレオーネが3頭の追い比べをもうひと伸びして勝利。フォーエバーヤングは懸命に盛り返すも、3着争いを制すのが精一杯だった。 「このデキで勝てないのか…」。レース後に矢作師はこうつぶやいた。戦前から「(状態が良くなかった)ケンタッキーダービーとは雲泥の差」、「ものすごくいい体になっている」など、状態の良さを伝えるコメントを多く出していた同師。体調は文句なしだった中で挑んだ上に「力を出し切り勝ちに行った」と評す1戦であれば、相手を褒めるしかないだろう。 終わってみれば3歳馬が上位を独占。フィアースネス、シエラレオーネはいずれも米GⅠで上位争いを続けてきた2頭。フィアースネスが前走のGⅠトラヴァーズSで頭差2着に下したケンタッキーオークス馬のソーピードアンナが、同日のBCディスタフを完勝したことからも現3歳の強さが分かる。今年のケンタッキーダービーで上位人気に推された3頭が死力を尽くしたリベンジマッチは、まごうことなき名勝負だった。 ただ、〝世界一〟を目指す上で、上位2頭との対戦は今後も避けられない。「これで勝てないんだから、もう一段上を考えるしかない。世界のダートで強いのはこの3頭。その中で、いつまでも3番手にいるのではなく、やっつけないと」と闘志を燃やした同師。 今後については「サウジCやドバイWCへ行く馬だと思う。そのような展開を考えています」と話した。サウジ、ドバイにこの日戦った2頭が来るかは分からないが、再戦がかなった際には強い3歳世代のトップに君臨してほしいと思う。
三嶋 まりえ