JPモルガン、FRBの大幅利下げ正しく予測-今後の見通しは不透明
(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースのエコノミストは、18日に実施された米国の0.5ポイントの利下げを正しく予測した。
同行の米国チーフエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、11月にさらに0.5ポイントの利下げが行われるとの見方を変えていないが、その見解は今後の雇用統計の結果に左右されると述べた。同氏は8月2日以降、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利下げが行われると主張しており、シティグループのエコノミストが同様の主張を撤回した後も、予想を堅持していた。
JPモルガンの金利ストラテジストも慎重な見方をしており、9月の雇用統計が方向性を示すまでは米国債はレンジ相場が続くと予想している。同行は3年物と30年物の利回り格差拡大に賭けるという推奨を終了したが、次の雇用統計が発表される頃には、イールドカーブのスティープ化を見込む取引を再開する機会が訪れるとみている。
フェローリ氏は、FOMCの決定後に顧客に送ったリポートで「当行は依然として、当局者のドット・プロット(金利予測分布図)よりも速いペースでの金利正常化を予想している」と説明。
「11月の次回会合で0.5ポイントの利下げが行われるという当行の予想は、それまでに発表される2回の雇用統計がさらに軟化することを前提としている。より良好な労働市場データが発表されれば、年内は会合ごとに0.25ポイントの利下げを行うというFOMCのゴルディロックスシナリオが現実のものになるだろう」と分析した。
シティのエコノミストは今週のFOMC会合前に0.5ポイント利下げ予想を取り下げた。債券市場の利下げ幅見通しは真っ二つに割れていた。しかしフェローリ氏は、米当局は利下げ開始で出遅れたとして大幅な利下げを行うだろうとの予想を維持した。
ウォール街の銀行は予測の見直しに着手している。ヤン・ハッチウス氏率いるゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは今後について、11月から2025年6月まで、四半期ごとに0.25ポイント利下げが実施されると予想している。しかし、11月の利下げ幅が0.25ポイントとなるか0.5ポイントとなるかは「微妙なところ」で、決定要因は次2回の雇用統計だと付け加えている。