「鉄道きっぷのオンライン予約」は便利だが課題も多い 各社のサービスを使って感じたこと
JR東日本のえきねっとは「検索の使い勝手」が良好
えきねっとは20世紀から展開しているサービスで、1997年頃にはタレントの加藤紀子をCMに起用し、電話予約サービスを宣伝していた。現在は会員登録をすれば、駅の窓口などに行かなくても、インターネット上でJRのきっぷ、えきねっと限定割引商品を購入できる他、チケットレスでの乗車、利用に応じたJRE POINTの付与、利用もできる。 えきねっとで購入したきっぷは、JR東日本・北海道・東海・西日本の駅で、そのマークがある指定席券売機、みどりの窓口で受け取りができる。ただし、営業時間は駅ごとに異なるので、事前に確認した方がよい。 ログインしない、購入しない形でJR東日本のえきネットにアクセスすると、トップ画面に「新幹線・JR特急列車を探す」があり、すぐに検索できるようになっている。 試しに乗車駅を東京、降車駅を秋田、経由駅を仙台、羽前千歳に設定。乗車日を2024年10月27日(日曜日)、出発時間を5時00分に選択した。経由駅は3つまで入力できる。 検索したところ、先頭と2番目に東京6時32分発の東北・秋田新幹線〈はやぶさ1号・こまち1号〉の秋田行きが登場した。仙台で仙山線の普通電車山形行き、羽前千歳―山形間は折り返し乗車が可能なため、山形で山形新幹線〈つばさ123号〉新庄行きに乗り換え。この列車は羽前千歳を通過する。終点新庄で奥羽本線11時22分発の普通電車秋田行きに乗り換え、秋田には14時11分に到着する。 この検索は使い勝手がよく、駅名についてはJR東日本以外の駅も候補として表示される他、乗り換えの回数、乗車区間の距離(営業キロ)、大人1人あたりの値段(運賃、特急料金など)、優等列車のみながら検索列車の空席状況が表示される。 この他、航空機の早割に相当する「新幹線eチケット」「特急トクだ値」「在来線チケットレス特急券(トク割)」がある。いずれもJR北海道の新幹線、在来線特急にも広げており、買いやすい、利用しやすい体制を構築した。 ただ、えきねっとは新幹線、在来線特急の特定列車に特化した印象があり、ジグザグルートの乗車券などは申し込めない。JR東日本によると、経路や所要時間の短い経路を優先的に案内しており、複雑な経路、4列車以上の申し込みなど、希望の経路が検索結果に表示されない場合もあるという。 さらにJR東日本は認識している課題として、「商品が多岐にわたることから予約手続きが複雑になること、画面遷移や注意事項などのご案内などが多いことや、商品ごとの違いが分かりにくいというご意見」を挙げた。今は改善に向けて、模索している最中といえる。 私が気になるのは、えきねっとの会員でないと購入できないことだ。出張などで頻繁に乗る方ならともかく、年に1回程度の方にとっては会員登録自体が面倒なので、会員外でも購入できるようにしてほしいところだ。