DeNA・牧秀悟 駆け抜けたルーキーイヤー 「個人としては思っていた以上に数字を残すことができた」
1日の振り返りをしっかりと
写真=BBM
各球団、2021年シーズンを支えた功労者を週ベ担当者が表彰する新連載の2回目は、DeNAのドラフト2位入団の牧秀悟を文句なしで選出。1年目の今季、右に左に積み重ねた安打は153本。打率.314はリーグ3位、22本塁打を放ち、堂々と強力ベイスターズ打線の中核を担った。 取材・構成=滝川和臣 写真=井田新輔、松村真行、小山真司、桜井ひとし、BBM この原稿を執筆時点では結果は分からないが、今年の2021年の新人王争いは史上稀にみる混戦レースだった。投手では37セーブの広島・栗林良吏、9勝のヤクルト・奥川恭伸が控え、野手では24本塁打の阪神・佐藤輝明、盗塁王の阪神・中野拓夢が目覚ましい活躍を見せた。そんなルーキーたちの中で有力候補に名を連ねるのがDeNAの牧秀悟だ。史上4人目となる新人で打率3割.20本塁打をマークし、35二塁打で長嶋茂雄氏(現巨人終身名誉監督)を超える新人シーズン最多二塁打のリーグ記録を樹立するなど大活躍。黄金ルーキーに充実のシーズンについて聞いた。(※新人王には広島・栗林良吏が選出され、牧は新人特別賞を受賞) ――1年目は137試合に出場、153安打を放って打率.314はリーグ3位、22本塁打、71打点。この数字をどう振り返りますか。 牧 ここまでの成績は想像していませんでした。個人としては思っていた以上に数字を残せたと感じています。ただチームの順位が最下位だったので、そこは悔いが残る部分ですね。 ――好成績につながった要因はどこにあると思いますか。 牧 1年間ずっと一軍に帯同させてもらって、スタメンでたくさん起用してもらいました。実戦でプレーする中で、日々の試合の経験をプラスに変えられたこと、シーズンを通してたくさんのチャンスをもらったことが大きかったと思っています。 ――開幕直後の固め打ちでブレーク。その後、相手投手も対策を講じてくる中で、致命的なスランプなくシーズンを完走したように見えました。 牧 う~ん、自分の中では4月、5月には、打撃の調子が上がらずに成績が落ち込んだ時期がありました(月間打率、3月=.381、4月=.268、5月=.265)。シーズンを通してムラがなくなれば、もっとよかったですね。それでも、調子が今一つのときでも毎日試合があったので、前日の結果をしっかり反省しながら、悪い部分はその日で納めて、翌日に越さないように意識していました。 ――昨年、首位打者を獲ったチームメートの佐野恵太選手も試合後に、1日の打撃を振り返り、次につなげていました。 牧 そうですね。同じようなイメージ、アプローチです。試合後に打席をしっかりと振り返って、気になる部分は動画でチェックして、次の日を迎えていました。 ――1シーズン、143試合を戦い抜くことの難しさはありましたか。 牧 高校、大学では、これほどまでに1年間、野球をすることがなかったので、当然疲れも感じました。移動も多いですからね。体がバテないように、しっかり食べること、寝ることには気を遣っていました。 ――東京五輪のシーズン中断直前の7月は11試合で打率.194と落ち込み、夏場には一時スタメンを外れることもありました。 牧 腰のケガもあってスタメンを外れて・・・
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週刊ベースボール